ゾムさんが眠ってから1ヶ月が経とうとしている。
幹部たちは、暇さえあればお見舞いに来て眠ったままのゾムさんに話しかける。
ゾムさんは怪我はもうほとんど治って、もうすぐ包帯の必要すら無くなりそうなのに一向に目覚めない。
しんぺい神さんは、数日で目覚めるって言ってたのに…
必死に願っても、そんなことに意味はなく。
微かに聞こえる彼の規則正しい呼吸音だけがゾムさんが生きていることを証明している。
…あ、
もうそろそろコネシマ隊との合同訓練や。すっかり忘れてたわ…
名残惜しいけど、もう俺は行かな。
医務室のドアを開けようとドアノブを手で掴むと…
*・゜゚・*:.。..。.:*・.・*:.。. .。.:*・゜゚・*
懐かしい声が聞こえる。俺達が今、求めていた人の声。
喜びが込み上げてきて、涙腺が緩む。
ゾムさんは、何故か困ったような表情をして固まっている…
_____とにかく、みなさんにゾムさんの目が覚めたことを知らせなければと思い、インカムの電源を入れる。
次の瞬間…
凄い音割れが聞こえたかと思うと…
_______ゾムさんが居なくなっていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。