第55話

〜第3章〜
7,394
2020/12/09 08:00
ゾムさんが眠ってから1ヶ月が経とうとしている。
幹部たちは、暇さえあればお見舞いに来て眠ったままのゾムさんに話しかける。
ゾムさんは怪我はもうほとんど治って、もうすぐ包帯の必要すら無くなりそうなのに一向に目覚めない。
しんぺい神さんは、数日で目覚めるって言ってたのに…
ショッピ
ショッピ
…ゾムさん、貴方が眠ってからもう何回太陽が昇ったと思ってるんすか?
俺も、皆さんもすごく心配してるんすよ…貴方がいなくて寂しいですよ…
ショッピ
ショッピ
もう、貴方を虐める人はいません。ですから…どうか…
必死に願っても、そんなことに意味はなく。
微かに聞こえる彼の規則正しい呼吸音だけがゾムさんが生きていることを証明している。
…あ、
もうそろそろコネシマ隊との合同訓練や。すっかり忘れてたわ…
名残惜しいけど、もう俺は行かな。
ショッピ
ショッピ
ゾムさん、また後で。
医務室のドアを開けようとドアノブを手で掴むと…



*・゜゚・*:.。..。.:*・.・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ゾム
ゾム
何処…ここ。
ショッピ
ショッピ
…!
懐かしい声が聞こえる。俺達が今、求めていた人の声。
喜びが込み上げてきて、涙腺が緩む。
ショッピ
ショッピ
医務室ですよ!ゾムさん、1か月も眠ってたんすよ!
ゾム
ゾム
…⁉︎
ゾムさんは、何故か困ったような表情をして固まっている…

_____とにかく、みなさんにゾムさんの目が覚めたことを知らせなければと思い、インカムの電源を入れる。
ショッピ
ショッピ
『ショッピっす!ゾムさん、起きましたよっ!』
次の瞬間…
全員
『ワーッ!ゾムっ今すぐ行kよっしゃぁァァァxっw@?-』
凄い音割れが聞こえたかと思うと…
_______ゾムさんが居なくなっていた。


ショッピ
ショッピ
『ゾムさんが、居なくなりました!!』

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