第52話

案ずるより産むが易し
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2020/11/19 08:00
ショッピ
ショッピ
気づかれたか…
大きめの音を立ててしまったため、バレてしまったのは偶然ではなく必然だろう。

さて、どうやってゾムさんを助ければいいのか…

ロボロさんが落ちそうになった穴から下を覗くと、下の部屋の大まかな状況を把握することができた。
ゾムさんは、壁に頑丈そうな銀色の金属のチェーンで固定されていて手足も鎖で縛られている。
もちろん気を失っているようで、目を覚ます気配も一向になさそうだ。
ロボロ
ロボロ
どうする?みんなが来るまで待つか…?
シャオロン
シャオロン
その方が…安全策やと思うけど…早よせんとゾムがやばいかもしれへん。
ショッピ
ショッピ
じゃあ…行きますか…?
普段は慎重に行動するように心がけている俺だが、今はゾムさんが危ない。
自分は、明らかに焦っていた。
ゾムーク
ゾムーク
(仲間を呼ばれたらめんどくさいなぁ…)
ゾムーク
ゾムーク
(急かすか。)
ゾムーク
ゾムーク
早くしないと、ゾムがどうなっても知らんからな。
まぁ、ゾムを手放すつもりはないけどね。
何を言ったかと思えば、次の瞬間にはゾムークはさっきまで研いでいたナイフでゾムさんの手のひらを切っていた。
ショッピ
ショッピ
はっ!?
いけない、つい大声を出してしまった…

ゾムークは何がしたいんや…?
行動の意図が読み取れん。


【案ずるより産むが易し】そんな言葉が脳裏を過って…

ダッ

勢いよく床を蹴って、体を宙に浮かせ…
感情が理性で押さえつけられなくなった俺は、ショットガンをゾムークにむけ、2人がいる部屋へと飛び降りた。

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