俺は、呆然として立っていた…
なぜ…ゾムさんは俺のために自分を犠牲にしたのか…?
ゾムさんの方が何倍も苦しい思いをしてるはずなのに…。
…今、俺ができることは…なんや?
俺は、全力で我々国の基地に向かって走る。
途中で森に立ち寄り、バイクに乗る。
今、俺は武器も持ってないし、1人だからみんなに助けを求めるべきだと判断した。
ゾムさんには「言わないで」って言われてるけど…
ゾムークのことも全て話してしまうしかない。
皆さんにもう一度ゾムさんのことを信じてもらうために…。
皆さんがゾムさんのことをもう一度信じても、俺は皆さんのことを許せないと思う。
ゾムさんに過去のことを思い出させるような酷いことをしたのだから。
でも…少なくとも今だけは…。
皆さんに協力を願う。
ゾムさんを救うために…。
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我々国に着いた。城まで…あと少し。
インカムで召集をかけ、バイクの速度を上げる。
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バンッ
乱暴にドアを開ける。
俺が会議室に着くと、既に全員が集まっていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。