第51話

発見
7,412
2020/11/11 09:13
他と比べてやけに細い怪しげな通路を進んでいく。
てか、怪しさがあからさますぎるんだが…
ぼちぼち進んだところで、行き止まりになった。
…何もないのかとため息をつきそうになったが、ふと足元を見ると、小さなひびが入っていることに気づく。
そこから下を覗いてみると…


見慣れた緑のパーカーが見えた。
ショッピ
ショッピ
あ、あ、あれ…!ゾムさん…?
ショッピ
ショッピ
いや、ゾムークかもしれないっすね…
シャオロン
シャオロン
様子を伺うか…
ロボロ
ロボロ
俺はとにかく、みんなに連絡するな。
ロボロ
ロボロ
『みんな!ゾムらしき人物を見つけた!GPSを辿ってこちらに向かってくれ!』
トントン
トントン
『ナイスッ!大体の道順を教えてくれへんか?』
ショッピ
ショッピ
『俺たちが別れた裏口から右に曲がって、そこから2つ目の角を左に曲がった部屋の天井裏に入って、隠し扉の先へと進んでください。』
トントン
トントン
『了解!ありがとう!直ちに向かうなっ!』
プツリ

という機械音がして通信を切る。
シャオロン
シャオロン
みんなが来るまで待つ?
ロボロ
ロボロ
せやな。下に待ち構えられてたら、勝ち目ないからな。
ショッピ
ショッピ
…俺たちは今、ゾムさんらしき人がいる部屋の上(ダクト)にいるんですよね。
シャオロン
シャオロン
そうやな。
ショッピ
ショッピ
どうやって下降りるんすか?
シャオロン
シャオロン
あ…
ロボロ
ロボロ
考えてなかったな…って…あっ!
ロボロさんが後ろの壁に寄りかかると…

くるりと壁が回った。

壁が回って見えた先には…空間があった。
下の部屋に飛び降りれるくらいの空間。
シャオロン
シャオロン
っあっぶねぇ〜
ロボロ
ロボロ
こ、この通路仕掛け多ない…?
シャオさんの腕を掴んでいるロボロさんが言う。
シャオさんが腕を差し伸べてなかったら、下の部屋に落ちていただろう。
ショッピ
ショッピ
ゾムーク…かゾムさんに俺たちがここにいることを知られたんじゃないっすか…?
シャオロン
シャオロン
それやったら、絶望的やな…
ロボロ
ロボロ
バレとらんことを祈るけど…!
しかし、そんな期待も簡単に裏切られ…
シュッ

ナイフを研ぐ音がして…
ゾムーク
ゾムーク
おぉ、意外と早かったな!
あの、聞きなれた声にそっくりの忌々しい声が聞こえた。

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