他と比べてやけに細い怪しげな通路を進んでいく。
てか、怪しさがあからさますぎるんだが…
ぼちぼち進んだところで、行き止まりになった。
…何もないのかとため息をつきそうになったが、ふと足元を見ると、小さな罅が入っていることに気づく。
そこから下を覗いてみると…
見慣れた緑のパーカーが見えた。
プツリ
という機械音がして通信を切る。
ロボロさんが後ろの壁に寄りかかると…
くるりと壁が回った。
壁が回って見えた先には…空間があった。
下の部屋に飛び降りれるくらいの空間。
シャオさんの腕を掴んでいるロボロさんが言う。
シャオさんが腕を差し伸べてなかったら、下の部屋に落ちていただろう。
しかし、そんな期待も簡単に裏切られ…
シュッ
ナイフを研ぐ音がして…
あの、聞きなれた声にそっくりの忌々しい声が聞こえた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!