第32話

ショッピの作戦
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2020/08/31 08:20
それからは、頻繁に、真夜中に事件は起こった。
その度に被害者は「ゾムにやられた」と言う。
ゾム
ゾム
なんでこうなってもうたんや…
ベットに入った後も眠れずに呟く。
次の日にやられたんはトントン。
その次はロボロ、シャオロン、チーノ、エーミール、しんぺい神、グルッペン。
厄介なのが、毎日…と言うわけではなく、2、3日日を空けてやって来る時があるということだ。
予測不可能なので、防ぎようがない。
残りはショッピ君だけ…
だから、次に被害に遭うのはショッピ君か。
助けに行きたいが、拒まれるだろう。
ゾム
ゾム
俺は、また裏切られるんか…?
最近、みんなは俺に冷たくなっていっている。
そりゃそうだ。俺を犯人やと思っとるんやから。
嫌な記憶が蘇る。
☆国にいた頃の…嫌な記憶を。
またあの時みたいになってまうの?そんなの嫌や。
もし…そうなったら…俺に光は差すのだろうか?誰か救いの手を差し伸べてくれるのだろうか?
…俺らの絆って、こんなに脆かったんやな。
ゾム
ゾム
悩んでも、しゃあないな…
俺は、薄らと涙を浮かべながら眠りについた。
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ショッピside
まだ、夜中の奇襲にあっていないのは俺だけ。
今日か明日には来るだろうなぁ…
みんなは心配してくれとるけど、ちゃんと手は打ってあるんや。
敵が天井裏から来ても、窓から来ても、ドアから来ても大丈夫なように罠を仕掛けた。
ショッピ
ショッピ
(ゾムさん…じゃないと信じてますよ)
大先生が襲われた時は、ゾムさんの仕業やと思った。
でも、だんだんと口数が減っていき、目が虚になっていくゾムさんを見ていると、
やっぱりゾムさんではないのではないか…と思ってしまう。
まあ、俺のところに敵が来たら全てがわかるんやけどな。
俺とゾムさんはツーマンセル。
俺たちの絆は、そんな簡単には砕けませんよ…
そんなことを考えた後、眠りについた。
ーーーーーーーー真夜中ーーーーーーーーーーーーーー
ガタッ
上から罠に誰かがかかった音がする。
ゾムの偽者
ウッ
ショッピ
ショッピ
(ん…!)
ショッピ
ショッピ
(ついに来たんか…!)
ショッピ
ショッピ
誰や!
ゾムの偽者
……………
俺は、ナイフをそっと構えた。

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