第4話

よん
1,336
2019/12/08 02:54








《おっけんてぃー》










そう言って車を走らせていく…男の人。










マスクと帽子をかぶっていて顔はあまりよく見えないけど










悪い人ではなさそう。










中島「俺中島健人って言うんだ。姫は?」










『…。』










中島「紙に書いてくれればいい。」









『【あなたです】』










中島「あなた?可愛い名前だね。」










……人間のことなんて一切信じられてなんかない。










この人のことだって。










でも今後関わることなんてないと思うから。










そんな深く考えないようにしようと思った。










中島「…ついた……けど、」










父「あなたぁぁぁっ!!!どこだぁっ!!!!」










あぁ…間に合わなかったんだ……










外まで聞こえる父の声。










それを聞いてる中島さん。










これ以上迷惑かけられないな。










『…【ありがとうございます】』










中島「んーん。大丈夫。」










『…【本当にごめんなさい】』










中島「…謝らないで。あなたはありがとうだけ言えればいいの。

あとさ…結構心配っていうか。

本当に行っていいの?虐待されてない?」










『【大丈夫です】』










中島「大丈夫じゃないくせに。

家に帰るんなら俺との約束絶対守って。

俺外で待ってるから殴られそうになったりしたら

絶対すぐ外来て車ん中入って。」










『【いいですそんなの。】』










中島「守れないなら帰さない。」










『…【守ります】』










中島「全然来なかったら家ん中入ってくかんね。」










『【はい】』










中島「もう頑張らなくていいからね。

後できるだけ出てくる時は荷物もっておいで。

スマホとか服とか。」










『【分かりました】』










中島「行ってらっしゃい。待ってるね。」










なんで私はこんなにも中島さんのことを










信じきれているのだろう。










中島さんだって父や母と一緒で殴ったり蹴ったり










してくるかもしれないのに。










神様。










中島さんのこと信じてみてもいいですか?

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