写真の中で朗らかに笑う姉に、声を投げかける。
当然、返事は返ってこない。
寂しさを振り払って、玄関のドアを開けた。
今日も“__”、頑張らないとな…
私、弟宮あなたの下の名前は通学路を全力で走っていた。
どうも家の付近の交差点で事故があったらしく、通行止めになっていた。
それで、遠回りをした結果がこれだ。
あと1分足らずで朝のホームルームが始まる。
教室は3階。
そして今ちょうど校門をくぐったところ。
つまり、かなりまずいのだ。
私の足の速さはド平均で、決して速いわけじゃない。
本当に、まずい。
そう思った時だった。
後ろから超大きな声が聞こえた。
振り向く余裕なんかないけど、驚きのあまり、振り返ってしまった。
遠くからどんどん私との距離を近づけながら走ってくるのは、水色ヘアの男子だった。
彼は私に気づくと、私の横まで走ってきた。
え、誰?
私この人知らないんですけど…
でも、向こうは私のことを知ってるのかもしれない。
息切れをしながら答える。
この人の足は速い。
それはさっきので分かった。
でも、私も走るんじゃ意味がない気がする。
彼が私の手をぎゅっと引き寄せた。
彼に引っ張られて、ものすごい勢いで校門が遠ざかっていく。
は、速い……
そして気づけば、3階にいた。
そう言って、走り去ろうとする彼を止めて言った。
彼は、颯爽と教室へ駆けていった。
お礼したいけど…誰か分からない。
ま、クラスは3組って言ってたし、誰かに聞けば分かるかもだし、特定できるか。
………
そういえば、遅刻寸前なんだった。
慌てて教室へ向かい、着席する。
ホームルーム30秒前、ギリギリセーフだ。
それにしても、忙しい朝だったな。
ホームルームを聞き流しながら、そんなことを考えていた。
なんでりもこん?って思った方!
ちゃんと意図があるんです!ご安心を。
♡☆🗨️お願いします!












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。