北斗side
大我…
大我大我……
行かないでッ!!!
パッ
「なんだ夢か…」
でもこの夢、現実に少し似ている.
そうだ、もう大我はいないんだ.
改めてこの現実を突きつけられた気がして酷く落ち込む.
あれから1ヶ月、
まともに食も喉に通らなくて学校にも行ってない.
普通の人からしたらこれごときでって思うかもしれない.
ただ大我だけは…
大我だけは俺の生きる糧だった.
大我は今どうしてるのかな.
俺こんなに痩せちゃったよ.
大我よりも今なら細いかも.
早く会いたいよ.
あの綺麗な体を抱きしめたいよ.
髪を撫でたい、肌に触れたい.
もう一度だけでいいから
君の顔が、笑顔が見たいです.
大我が嘘をつかなくても幸せに入れますように.
少しだけお腹が空いてきたな.
大我のことを考えたから?笑
リビングに向かう途中の階段で力が入らず
俺は急に意識を失った.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。