大我side
『俺、好きな人ができたんだ。』
少しだけでいいから気づいて欲しくてこう言った.
「それって……誰?」
優しく頑張ってねって言ってくれると思ったけど
そういう北斗の声は濁ってて少し怖かった.
『誰って……北斗はいないの?』
「……いるよ。白くて可愛い天使みたいな…」
「男の子。」
北斗も男の子が好きなんだ.
それが俺だったらいいのにな…
『俺も男の子好きになっちゃった…お互いがんばろう』
急いでそう返しちゃったけど内心北斗の好きな人になりたかった
とか
男の子だから期待してもいいよねとか
色んな自分の意見で混乱していた.
少し沈黙が流れてしまったけど
僕らの出会いは運命だったのかもしれない.
確信はできないけど北斗といると安心するから.
それでもまだ言えない.
もう1つ
大きな隠し事をしていることを.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!