大我side
「大我…!!!」
聞きなれた声……北斗だ.
今引き止められたらまた辛い目に合うんだ.
『北斗!来ないで!!』
ダメだよもう…
「大我が死んだら俺も死ぬ.」
いきなりそう言われたから驚いちゃった.
『そんなの…だ、めだよ…』
「じゃあ生きてよ!俺のために!」
俺のために…?
俺が生きてれば北斗のためになるの?
なんだか嬉しくて涙が溢れた.
それと同時に北斗の体が近づいてきて
弱々しい俺の体に抱きついた.
『北斗…ごめんなさい…泣』
北斗の体温が暖かくて心地よかった.
それに優しく頭を撫でてくれたから
この人のために生きようと思えた.
腕の中ではひたすら泣いた.
なんでも言いあえたはずなのに
いじめられてることだけは迷惑かけたくなくて…
言わなかったから申し訳なかった.
「大好きだよ.」
ふぇ!?
思わず声が出そうになったけど
北斗の大好きは友達としてだもんな.
しょうがないよね.
いや、それでいいんだ.
どんな意味でも君のために生きるから.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!