壊れかけのブランコが春風に揺らされ、小さく音が鳴った。
あれから、何千年経っただろうか。
もちろん、あの国の彼らは、死んでしまった。
戦死や病死、寿命。
私には存在しないそれらが、どうも辛かった。
そして、いつに間にかもうこの世界は、この国は。
戦争とは無縁になっていた。
確かに平和だ。
だが、自由とは程遠かった。
会社からこのまま帰宅するか悩んだが、彼に手を引かれるように、彼の手を引くように。
エーミールはあの場所へと身を運んだ。
走って
走って。
また、此処で世界を眺めた。
エーミールはただ一人。
この広い世界を1番理解し、
いちばんに愛し、
ひとりじめしていた。
……いや、
_____________ガサ、
『 …あれ、俺以外にもここ知ってるやつおったんや 』
ふたりじめ、というべきか。









![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)


編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。