第5話

5.ガキが何言ってんの?
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2021/10/19 06:45
キヨ
お前そのバッグ何入ってるんだ?


キヨの家だと言うところに着いた

背負っていたリュックを下ろしているとキヨから問いかけられる
あなた
これ?えっーと着替えとか生活に使うもの?
キヨ
なんで疑問形なんだよ


キヨは苦笑する


そう言われても私にも分からない・・・

これじゃまるで家出してきたみたいだ
キヨ
とりあえず風呂入ってきな。寒かったろ


私が考えている間に準備をしてくれたらしい
あなた
ありがとうござい・・・あ、ありがとう


なれない感謝の言葉を告げる

キヨは笑った
キヨ
早く慣れろよ


ーーーーーーーーーー


お風呂から上がるとキヨはソファに座ってスマホをいじっていた
キヨ
おー終わったか


マスクを外したキヨもとても顔が整っていた

つい見とれていると
キヨ
何ボーッとしてるんだ。こっち座れよ


キヨが自分の隣に座るようにと指さしていた
あなた
えっ・・・あ、うん


言われるがままソファに腰掛けた

キヨはスマホから目を離さない
キヨ
お前帰るとこあるのか?
あなた
・・・・・・
キヨ
ないなら俺の家住む?
あなた
・・・え?


どう答えるか悩んでいると思ってもみない言葉が聞こえてきた

思わずキヨを二度見する
あなた
何言ってるの?
キヨ
言ったままだけど
スマホから視線を向けようとしないままキヨは言った
キヨ
もしかして何か心配?俺はこんなガキに手を出す気ねぇよ
あなた
ガキって・・・私は高校生です!
キヨ
・・・は?


初めてスマホから目線を外した顔は信じられないとでも言うような表情をしていた
キヨ
いや、どう見ても中学生だろ
あなた
違いますー
キヨ
そんな細いのおかしくね?


そう言われて自分の体を見る

確かに痩せすぎと言われるくらいの体をしていた

これなら中学生と言われてもおかしくない
あなた
何でこんなにガリガリなの?


思わず口に出してしまった
キヨ
こっちが聞きたいわ


キヨはそう言ってスマホに視線を戻した
キヨ
じゃあお前ここに住め。記憶ないならほっぽり出したら危ないし
あなた
・・・ありがとう。キヨって優しいよね
キヨ
はぁ?
あなた
見ず知らずの女の子のためにここまでしてくれて


そう言うと彼は私から目を逸らした

耳が赤い
キヨ
うるせえよ。関わっちまったもんはしょうがないし


ぶっきらぼうに言うキヨに笑顔がこぼれた

ありがとう・・・
キヨ
それでさ、明日仕事仲間が来るんだけどいいか?
あなた
え?良いけど・・・


家で仕事をする人なのかな


その時はまだ疑問に思っていなかった

彼らとの出会いが私の人生の分岐点になることを


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