第54話

ロックオン
1,026
2021/07/05 07:19
ザワザワ……



「ほら!あの子や!マネージャーただ1人受かった!」


「わっめっちゃ可愛ええ!マネージャー受かったってことは、性格もええんかな?」



「顔で入ったんちゃう?」









……マネージャーになったあの日から、視線をよく感じる。


幸い、私がキレた時はドリンクやタオルやビブス洗いなど、人が散っているときで、


あの現場を見た人は少なかった。












治「大人気やん。あなた」


朝練を終えた私たちは、教室に向かっていた。




あなた「他人事みたいに言わないでよ……」


治「ははっ、ついでに俺らにまとわりつく奴らもあなたが持ってってや」


あなた「絶対やだよ。それに私のはファンとかじゃない。」




治「は?お前……知らんの?お前のファン……」


角名「治。それ本人に言わなくてもいいよ。」


治「そやな。なんでもないわ。」




あなた「え、、何?」






気になるじゃん……









角名(あなたが男子の間で大人気なのは言わない方がいいよね……本人興味なさそうだから、そのままでいい。)



治(下手に言うてあなたが気にし始めたら大変やからな)
















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〜昼休憩〜







藤咲「あんたらまた仲良うなったな〜」


あなた「?うん、まぁ、2人とも話しやすいよ。」



確かに、正式にマネージャーすることになってから、バレー以外でもよく話すようになった。








久遠寺「あなたさん!!」




!?!?



あなた「はっ…はいっ?」




藤咲「やっぱり来たか……










鋭い目で私を見る久遠寺さんが、綺麗に巻かれた髪の毛を触りながら近寄ってくる








久遠寺「どうやったの?」



あなた「……はい?」




久遠寺「どうやって部員につけ込んだの??」



あなた「マネージャーの事?別に、普通に試験受けただけ。」






取り巻きさん「嘘やろ!ならなんで翠恋が落ちて羽芽さんが受かってんの!」






知らないよそんなの……








あなた「うーん、ごめん。私試験の時の久遠寺さん見てなかったから…私からは何とも言えない。

もし理由が知りたいなら、今度部長に聞いてくるよ?」





新条「ふふっ…………あ、やばっ…

藤咲「あなたっ〜〜っくくっ…









取り巻きさん「なっ!!!」




久遠寺「〜〜〜っ!ふざけてるの?」







顔を赤くしてキッと睨まれた


あなた「あっ…いや!別にそういうわけでは……」











?「っははは!……最高やんあなた」

















久遠寺「〜!!治くん!?」


取り巻きさん「!?角名くんも!?」









腰に手を当て、悪そうな笑みを浮かべている治と、

面倒くさそうだけど心配の目を向ける倫くんがいつの間にか立っていた。










あなた「何がおかしいの…」



この状況どうにかしてよ、めんどくさくなってきた


















治「久遠寺さん、マネージャーはあなた以外居らんって最初から決まっとったんや。」



角名「どちらかと言うと、俺たちがあなたのバレー愛につけ込んだって感じだしね。」







久遠寺「私だって!バレー好きだよ?元バレー部だし…」



治「俺らが必要や思うたのはあなたや、他の誰でもない。

もう終わったことや、諦めぇ。」



そう言い、治は私の手を取り、久遠寺さんに見せつけるように私を自分の方へ引っ張った。





「キャー!やばいな!ドラマ見とるみたいやで!」

「萌える!映える!推せるな!」





久遠寺「〜っ…………」














治「……あなた、バレーしに行くか??」




あなた「!!うん……!」





久遠寺(なんなのっ!羽芽あなた……邪魔な奴っ!)















新条「あ〜あ、またあなたがバレーで釣られた。」



藤咲「今度うちらも何かであなた釣って対抗してみる?」



新条「楽しそ〜やな!、やけどあなたバレー以外好きなもんとかあるん?」



藤咲「確かに……」

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