コツッ!___コツッ!____……
私は今、不貞腐れている、怒っているのだ
バレー部の練習試合を見るはずが、今こうして石ころを蹴りながら家に帰っている、、
あの教師……恨んでやる
音駒の皆を送り届けた私は、当たり前のように校内へ入ろうとした。すると、一人の教師が、
「学校関係者以外はダメだ。制服を着て来ないと、生徒なら尚更だ」
と、門を通してくれなかった___
何がそんなにダメなの??肩苦し過ぎない??
ランニングをする姿だった私は、部外者扱いらしい
クロと研磨と連絡先交換出来たし、
次は私が東京に遊びに行って、バレーをする約束ができたのは良かったけど……
それにしても、春休み中のはずの校内が、やけに騒がしかった
なんか、、女の子の悲鳴??が凄かった。
なんだったんだろう…
それよりも、
私はやっぱり練習試合が気になるな、
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黒尾side
前から人が来たと思って、何も考えず声をかけた。
……最初はまさかと思ったけど普通に日本語話すし、名前も違ったから、
すげぇ美人とか、
何処の国の血混ざってんだろとか、
そんなことしか思わなかった。
でも、俺の記憶の何かがずっと引っかかっていた
最近引っ越して来た、ブラジルという単語を聞いてやっぱりまさかと思って、聞こうとした
「フィー??」
そう言ったのは研磨だった
研磨も顔に出るほど驚いていたと思う。
そのまさかのまさかだったその子は、昔一緒にバレーをした子で、
俺は鮮明に思い出した__
たったの数ヶ月間だったが、並外れた身体能力、バレーへの執着、センス、技術、そして……
まだ子供だった俺でも一目見て思った___
綺麗だ……と、
今日あってさらに増してたけど。
あの研磨が覚えてるのには驚いたが、納得はできる。ケーマだもんな笑
バレー……あの時より上手くなってんのかな?
母親の事、もう大丈夫なんだろうか?
性格は前より落ち着いた気もするし、明るくなった気もする……
なんて言えばいいか分かんねぇ……
前はもっと、感情が表に出て、コロコロ表情が変わってた。歳とかは関係ねぇ気がする
もっと色々話したかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!