赤葦「そうですね木兎さん、それで、目的地は……」
あの河川敷のことをいい、案内してもらった。
あかーしと呼ばれる人は、とても大人びた人だった。英語話せるし、しっかりした人だ。
ぼくとと呼ばれる人は、あかーしさんに敬語を使われながらも、子供っぽい、明るいひとだった。
木兎「それにしてもきれーな目と髪だなぁ…!どっから来たの??」
赤葦「木兎さん、敬語使ってください!」
あなた「私兵庫から友人に会いに来たんです…それと、私はまだ高校生なので、敬語じゃなくても大丈夫ですよ」
赤葦「高校生なんですか!?」
話すとあかーしさんは高校生2年生、ぼくとさんは3年生だった。
なんか私、高校生に道案内系でよく絡むな……
赤葦「着きましたよ、ここで合ってますか??」
あなた「……~~っっ、」
懐かしい……私の大好きな所。思いでが詰まってる所。
赤葦「??あの……?」
あなた「あ、はい!ありがとうございました、ここで間違いないですっ」
??「お嬢様??」
あなた「!?……えっ」
聞き覚えのある声が聞こえ、ゆっくり振り向く。
そこには、わたしが東京に住んでた頃、良くしてくれた使用人さんがいた。
この人には、感謝しかない。
当時日本語が喋れなかった私に変わって、父に事情を説明、しかもわざわざクロと研磨に私の過去を伝えてくれた人だった。(※28.29話)
少し……痩せていた。けど、やさしさにはあふれた整った顔はそのままだ。
確か名前は……そう、北さん。当時は発音出来なかった。
……ん?北さん??
なんか……似てる??
北さん『お久しぶりです!お嬢様…ですよね?お会いできて嬉しいです!』
あなた「あ…北さん……ですよね??」
北さん「!?!?」
あなた「お久しぶりですっ、私もお会いできてうれしいです!」
北さん「……あ、日本語……」
あなた「勉強したんですっ、あの時はありがとうございました、私、ずっとお礼言いたくて……」
北さん「~っ!」
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赤葦side
木兎「クォーターだってあかーし、かっこよかったな!」
赤葦「そうですね……」
俺たちは邪魔になるから、すぐにその場を離れた。
ありがとうございましたと微笑むその子は、同い年とは思えないほど大人びた、綺麗な人だった。
お嬢様、と呼ばれ、名前も知らないその人は、多分もう二度と会えない。
あの使用人の人……どっかで見たことあるような……?
出逢ったとはいえ、こんな出逢いだ。
もっと違う出逢い方をしてたら、もっと仲良く、俺も友達になれたのだろうか……
また、会えたらいいな
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北さん「お嬢様は、どうしてここに??」
あなた「クロと研磨に会いに来たんです、」
北さん「そーだったのですね!えと、ブラジルから??」
あなた「いえ……!今は日本に住んでますよ」
北さん「あの、先程の人達は、お友達ですか?」
あなた「違いますよ、迷ってた私をここまで案内してくれたんです」
北さん(……あの黒髪の男の子……確か赤葦財閥の…)
北さん「……今は、日本のどちらに?」
あなた「兵庫です」
北さん「っ!……そ、うですか。……お元気そうで何よりです」
なんか北さん……寂しそう??
あ、そうだ……聞いていいか分からないけど、どうしても気になる
あなた「あの、北さん、北さんって……歳の離れた弟とか、息子とか……いますkっ」
黒尾「お!いた!あなた〜っ!!!」
北「……〜っっ」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。