言葉が出てこない……
そうだ私……まだ日本語十分に話せない
伝えなきゃ、伝えないと、2人に
分かってる、
伝えたい事も、今言わないともう会えない事も、私が言わないと、何も伝わらない事も______
____分かってるのにっ……!!
黒尾「あなた?大丈夫か??ほんとにどうしたんだよ!」
研磨「…………なにかあったの??」
2人の心配する声が遠く聞こえる……
悔しいっ……
伝えたいのに、なんで……
頭が真っ白になる____
呼吸が早く、目頭が熱くなり涙が出てくる。
2人との思い出が溢れ出す
今までま言葉には出さなかった感情が溢れてくるのに……
何泣いてるの私っ……!
大丈夫。伝わる。きっと、
今私が使える言葉で伝えるんだ______
すぅ_______っ…………
深呼吸をし、私は2人を真っ直ぐに見る
あなた「……アリガトウ、フィーと……バレー、
タノシかった、アリガトウ!」
研磨と黒尾「………………」
あなた「よかっタ……アエテ、、トモダチなって、よかったヨ!_____クロ!ケーマ!
ダイスキ!!」
今できる最高の笑顔を2人に向け、
くるりと向きを変え、走り初めようとすると___
____パシッ!!
腕を掴まれた。
振り向くと、研磨がなんとも言えない顔をこちらに向けている
研磨「どこ行くの……??」
力なく手を離しながら言う
あなた「っっ__バイバイッ!!!」
これ以上は何もできなかった。
だから私は、引き止める2人を置いて走った。
涙は、出さなかった。
あなたの父『あなた!用事は済んだのかい??もう出発するよ?』
あなた『うん!……大丈夫!行こう!』
私は、そのまま日本を後にした。
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あなたの父side
あなたと4ヶ月ぶりにあったけど、別れる前とは見違えるほど、目に光が戻っていた。
あなたが待っててと走り出した後、あなたの荷物を整理しながら、考えていたんだ。
きっと、こっちであなたを変えてくれた友達が居るのだろう__
お手伝いさん『あなた様は多分、お友達に会いに行かれましたよ。』
あなたがこっちにいる間、ずっと見守っていたという若い女性のお手伝いさんが言う。
後からあなたに聞いた話だか、英語が話せるその人は、家の連中にバレないよう、色々と良くしてくれたらしい
あなたの父『その友達というのは……』
お手伝いさん『はい、あなた様がこちらに来てから、ずっと一緒にバレーをして遊んでいる、男の子2人です。』
そうかやっぱり……あなたは、その子たちに最後会いに行ったんだね。
……でも、あなた1人では、伝えられないことが多いだろう
あなたの父『1つ、君に頼んでもいいかな?
もし、そのお友達と会うことが出来たら、伝えて欲しい。___________』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。