今日も今日とて、私は休憩時間を使ってバレーをする。(まだ3日目ぐらい)
日本に来て驚くことは多々あったけど、だいぶ慣れた。
校内をみんなで掃除とか
盗難に対する警戒心のなさとか
女子の美意識の高さとか
単純にすごいなって思った。
新条「そういえばあなた、部活結局どうするの?」
休み時間、ひまとカヤの3人で、お昼ご飯を食べていた。
あなた「あ、最近バレー出来るから忘れてた。」
藤咲「あなたはバレー出来れば何でもええって感じよな〜」
ほんとに、バレーが出来れば何でも良かった。
とは言っても、いつまでも角名くんと治が相手のしてくれる訳でもないし、休憩時間だけでは物足りない。
あなた「やっぱり女子バレー部作ろうかな……」
藤咲&新条「「まだ言ってんの!?やめとき!」」
あなた「うわっ、なんでそんなに否定して……」
治「あなたー!!今日もするんやろ??」
食堂から帰って来た治達が、廊下から私を呼ぶ
あなた「うん!!私まだ食べ終わってないから先行ってていいよ!」
……久々に声張り上げたな
休み時間の教室がザワザワする中で、窓際から廊下に声を届けるために大きな声を出した。
治は何も言わず、了解の意の手を挙げて、体育館へ行った。
「え、なになに!?どーゆう関係なん!?」
「治くんが話しかけた!?」ザワザワ……
あなた「ごめん2人とも、今日も……」
新条&藤咲「「行ってらっしゃい!!」」
あなた「!!……うん、ありがとっ」
2人は本当にいい人だ。
私、友達に恵まれたなぁ……
藤咲「それにしてもあなた、超スピードで仲良くなったよなぁーあの2人と」
新条「ほんまにな!、1年の時から宮治が女子と話しとるの、見た事なかったしなぁ」
藤咲「うん……、よく仲良なれたよほんまに……」
新条「仲良く……なぁ……」
お昼ご飯を口にかき込んでいると、2人の顔が曇っていった。
あなた「??」
藤咲「あなた、仲良くするんは勿論いいけど、それを良く思わんやつもおること、知っときね。」
新条「男バレ自体人気あるけど、ツインズは桁違いやからなぁ…」
藤咲「もし絡まれたらすぐ言うんよ?ツインズファンは怖いんで〜気をつけんと、特に……」
新条&藤咲「「久遠寺 翠恋……!!」」
あなた「えっと……誰??」
新条「同じクラスやよ!ほら、あなたにどの部活入るか質問してきた……!」
あなた「ぁ…あの、いつもオシャレな??」
新条「そーそー!」
……正直言って、あの子は確かに怖い。
勘違いだと思ってたけど、睨まれてる気もする
あなた「なんで、特になの??」
新条「あの子も女バレやったんよ!よく喧嘩しとったなぁ部員と。ツインズの熱烈ファンでな」
藤咲「しかも、父親が教育委員会の理事長らしくてな、我儘なんよな、先生も下手に口出せんし。」
新条「あの子普通に人虐めるで、気をつけてな?」
あなた「う……うん、」
___どうして、権力のある人、人を動かす力がある人は、それを振りかざすんだろう……
新条「そういえば久遠寺さん、父親に頼んでツインズに縁談申し込んだらしいで!」
藤咲「え!?もうそれファンどころやないやん……」
どうして_____傲慢になるんだろう。
そのせいで、私の……私の大切な人達が____
新条「あなた!大丈夫??」
あなた「____ぇ、ぁ、うん、大丈夫…!」
私は残りのご飯を1口で詰みこみ、体育館へ向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。