第65話

危機一髪
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2021/07/11 09:44





男子生徒「あなたさん!その……す、、好きです!付き合ってくださいっ!……」






あなた「えと……ごめんなさい」














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藤咲「あ、おかえりあなた、呼び出しは……またあれ?」


あなた「うん…」


新条「告られたの何回目?すごいなぁ!」


あなた「……疲れる……」





知らない男の子からいきなり好きと言われても困る。最近はそれが多くてよく呼び出しを食らう。



今は文化祭の準備中、クラスのみんなで看板を作ったり小物を作ったりしていた。




藤咲「な、あなた自身は好きな人とかおらんの??」


新条「それめっちゃ気になる!!」





クラスの男子(あなたさんの恋バナ……!!

彼氏は居らん言よったけど、好きな人は……!?)








あなた「え、私は……居る、というか、居た…んだと思う。」





藤咲「??…随分曖昧やなぁ」


あなた「うん……自分でもよく分からないの、
9歳の頃、多分好きだった人が居たよ。それからは今のところ無いかな?」





新条「好きな人居ったんは居ったんやね!あなたのことやから、興味無いとか言うかと思うたわ〜」


あなた「興味無いことはないよ(笑)」





クラスの男子((興味はある!てことはチャンスがある……!!!))







新条「な!うちそのあなたが好きだった言う子が気になる……」



「あなたちゃーーん!!」







突然、クラスの子に呼ばれ、声のする方を見ると、廊下が騒がしかった。



「3年生の先輩が呼んどるよー!!」







あなた「??あ、うん!」





誰だろう……


バレー部の先輩かな?信介くんとか??







廊下の外に待っていたのは、バレー部の先輩とかではなく、全く知らない人だった。





「サッカー部の雅先輩だぁー!」


「2年の廊下居るの珍しいな!やば、めっちゃかっこええ!」








キャーキャー言われながらその中心に立つ、雅先輩と呼ばれる人は、自信に満ちた顔で私を見る。






「羽芽あなたちゃんやな?俺、篠宮 雅しのみや みやび、3年や。ちょっと話したいことあるから、来てくれへん?」







そう言い、私の手を引いてスタスタと歩き出す。






え、私先輩に呼び出されるようなことしたっけ?要件先に言って欲しい……












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Noside



治「お?あなたどこいったん?」


角名「トイレとかじゃない?」






藤咲「お、来たきた。あんたらのお姫さん、攫われたで。」



角名&治「は??」





新条「3年の先輩に連れてかれたで!あれや、サッカー部部長の…イケメンの!」






角名「……!!ど、どこに行った!?」


藤咲「知らへんけど、廊下を左に行ってたで」


治「角名、今すぐ探すで……!」





藤咲「そんな焦らんでも、どうせ告白ならあなた断って帰って来るよ」








治「女子は知らへんのだろうけど……あの先輩、ヤバいで……!」














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えと……これは……どういう状況??




私は何故か今、会って数分の先輩に、俗に言う壁ドンとやらをされている。




1階、階段下のスペース、廊下から死角になり人通りも無い。

そんな所でこの状況は……まずい??








〜数分前〜


篠宮「突然呼び出してごめんな?」


あなた「あ、いえ……それで、なんですか?」



篠宮「あなたちゃん、俺の事知っとる?」


あなた「知りません、今会ったばかりじゃないですか」






なんなんだろ、早く要件言って欲しい。



その後も先輩がぺちゃくちゃと1人で話す状況が続いた





篠宮「あなたちゃん、モテるやろ〜??」


篠宮「俺と連絡先交換しようや!」



あなた「あのっ!私仕事あるので、用がないならもう行きます」






ここに居ることに意味を感じられず、耐えかねた私はその場を抜け出そうとすると、








篠宮「っ!……調子のんなや……」



先輩の低い声と共に、私は壁に押し付けられた。



さっきまでの爽やかな笑顔が嘘のように、笑顔が歪んでいた。









そして、今に至る。





あなた「あ、あの……」



篠宮「ほんま可愛いな、あなたちゃん。


なぁ、俺と付き合ってや。」





そう言いながら、私の足の間に膝を入れられ、手も、指を這うように掴まれた。






あなた「っ!……あの、ごめんなさい、私先輩の事全然知りせんし……

とりあえずどいてもらってもいいですか?」






はっきり言って気持ち悪いから、早く抜け出したかった。



でもそれとは真逆に、先輩はさらに元々無い距離を更に詰め、体を密着させてくる。





え……、日本人も距離間近いじゃん。治と倫くんがシャイなだけ?

この人がおかしいのかな??

そんな呑気な事を考えていると、








篠宮「ははっ!やっぱそう言うと思うたわぁ、でも俺、あなたちゃんに惚れてんねん、

なぁ、ちょっとでええから……今から遊ぶ??」





先輩の目付きが変わった。

顎を掴まれ、顔が近づいてくる。




いやいや、さすがに無理、ほんとに無理!


振り払おうとしたが、不利な体制にある私は一向に動けない。






先輩の顔は容赦なく近づいて来て、掴まれてた手も、私の指と絡ましてくる。




これは……もうダメだ。




覚悟して、仏様のごとく無心になろうと目を瞑った瞬間、













篠宮「っっうわっ!」






先輩は誰かに肩を掴まれ後ろによろめき、私から離れた。













??「お前……何してんねん」








あなた「っ!」






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