藤咲side
昼休み、作戦実行の刻が来た(※54話)
藤咲&新条「…………コクッ!」
ひまと頷き合って
大量の武器を持ってあなたに向かう。
ドサドサドサ……!!
あなた「…………な…なに?これ?」
あなたの机に、その大量の武器を置く。
あなた「これって……えっ、全部お菓子!?」
そう、お菓子や。
バレーに釣られて毎回奪われるあなたを、今日こそは死守するために用意した。
バレー以外好きなもの知らへんうちらは、
女子なら誰でも大好き、甘い物から攻めてあなたを釣ることにした。
藤咲「あなた〜……これ、好きなん、食べてええよ〜??」
新条「あなた〜、好きなお菓子、好きなだけ食べな〜??」
あなた「ひっ……怖いよ、2人とも怖い」
普段から全然お菓子食べへんらしいあなたは、日本のお菓子もほとんど食べた事ないらしい。
やからそんなスタイルええんやな……
あなた「これ……なに?」
新条「!!っこれ!これおすすめやよ!きなこ棒!めっちゃ美味いねん!」
藤咲「ひま!自分の好きなん押し付けてどーすんねん!今日はあなたのっ……!」
あなた「?……私の?」
藤咲「っ!ううん!なんもないで!あなたはどれが気になる!?」
あなた「…………これ……」
新条「っ!それは……!」
藤咲&新条「チョコやな」
あなたが選んだのは普通のチョコのお菓子。
アポロだった。
あなた「……」
なんかお菓子と見つめ合っとる……
新条「おーい、あなたー?」
治「あなた、バレーしに行こ……っ!!え、なんやこの大量のお菓子」
藤咲&新条「っ!!!」
来たな!!うちらのライバル!
今日もあなたをバレーで釣って、うちらから奪うつもりやな!?
まだ何も好きな物把握してへんけど、作戦強行突破や!
あなた「あ、治。これひまとカヤが……」
藤咲「あなた!!!」
あなた「っ!?」
藤咲「このっ……このアポロかバレー、どっちか選び!!あなたは……どっちがええの!?」
新条「バレー行くかアポロ食べるか、いや、このお菓子全部食べるか、どっちがええ!?」
藤咲&新条「「どっち選ぶん!?」」
あなた「……へ??」
……ちぃと強引すぎたなこれっ
あなたも、角名も宮も、ポカンとしとる…
自分でも何言うとるか分からへんもん。
やばい、はずかしいわ普通に。
治「なんの茶番や……?」
角名「バレーとお菓子を天秤に掛けてる……」
藤咲「っ!//うっさいわ!あなたに聞いてんねん!」
新条「カヤっ……これうちなんか恥ずかしいわ//……」
藤咲「!?っいや、うちに言わんといて!?」
もう……嫌や。
こんなはずじゃ…
治「なんやねんこいつら…あなた、今日バレー____」
「ふふふっ……」
???
あなた「〜っっ、ふふっっ…っあははっ!!」
あなた以外「「「 っ!!! 」」」
あなた「ははっ……なに2人とも必死になって2人で恥ずかしがってるの?変なのっ!」
そう言いながら、お腹を抱えて綺麗に笑うあなた。
新条「っ〜、ふっ……あははは!!うちらもよう分からへんわ〜!」
藤咲「……はははっ!!」
釣られてうちも笑うてしもうた。
もうなんでもええや。
私の友達が笑うとったらそれでええ。
新条「〜っ……それにしてもあなた、そんなふうに笑うんやな〜!」
あなた「っ!……えっ、あっ//だって2人が……っ//」
あなた以外(かわっっ!!!)
角名(すごい眩しい笑顔だった//)
治(笑うとる顔何回か見たことあったけど……これはっ//)
今日はもう、大収穫やな。
あなたはあんま笑わん子……いや、
何となく、笑えん子なんやなと思うてたけど……
なんや、ちゃんと笑える子やんか。
これから、この笑顔が溢れるぐらい、良い友達になれたらええなぁ……
今日はなんかもう、満たされたわ。
この笑い声が行き交う空間を、大切にしたい。
……角名と宮、眼福やろ〜なー。
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その後、その日はバレーはせずに、後から来た侑も混ざってみんなで大量のお菓子を食べましたとさ
後から聞くと、アポロに特に深い意味はなかったそうです……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。