あなた「はぁぁぁぁぁ…………」
やってしまった………………
私こんなに短気だったっけ?
バレーの事だから、抑えが効かなかった。
試験が終わって、女子生徒が居なくなった体育館。
私は1人で、時間を巻き戻したくなるような罪悪感と羞恥心と後悔に埋もれていた。
北「あなた、今日はありがとうな。聞いとる俺らも清々したで!」
やめてよ信介くん…それには触れないで欲しい…
あなた「もう……忘れて下さい……」
尾白「なんでや、かっこよかったで〜!ナイスガッツや!」
あなた「うぅ、//…………」
恥ずかしすぎる。
自分で言うものなんだけど、私はこんなキャラじゃない
部員「ほんとにかっこよかったな!それに……」
部員「俺感動したで……」
やめてよ……ほんとにっ!
治「ほんまかっこええで!俺、生で聞いたん初めてや!」
侑(あなたの口調……!あれは……!)
銀島「俺中学ん時から憧れやったんや!!あの____」
「「「仁義なき戦い!!!!」」」
あなた「えっ…………」
角名「仁義なき戦いって…………」
銀島「なんや角名、知らんのか!?漢のロマンやで!憧れや!」
治「なぁあなた、あの喋り方教えてえや、広島弁やろ??」
部員達「俺も俺も!!!」
侑(俺も…!!教えて欲しい!!)
北「やめぇやお前ら、あなた困っとるやろ。」
尾白「あれはしょうがないって、ホンマに漢のロマンやもん」
角名「俺、知らないんだけどそれ。なんなの?」
治「仁義なき戦いは、一昔前のやくざドラマや、中学ん時流行ったやんか!」
角名「あぁ……なんか騒いでたね、あれか。」
仁義なき戦いは、私の祖父が大好きだった。
ずっとDVDで見てて、それに日本語鍛えられたのもある。
さすがにあそこまで訛った口調にはならないけど……
標準語意識しないと出てくる。
あなた「あの……私仁義なき戦いみたいな喋り方出来ませんよ?」
尾白「確かにあれは訛りすぎやもんな!今はおらんやろ、あの口調の人は」
あなた「私の祖父があれなんです。ブラジルにいる時、その祖父から日本語教わったので……」
角名「だからあの口調になっちゃったんだね。」
あなた「うん……もうこの話やめません??」
北「そやな、あなたが嫌がっとるんや、皆片付け始めるで!」
「「「うっす!!」」」
部員「ヤクザとか不良って言うたら、最近流行ってきたアニメあったよな!」
角名「あー、あるね、それは俺も知ってるよ」
部員「あれも関西弁のアニメやったら、関西弁が男のロマンにならへんかなー」
角名「関西弁は……どちらかと言うとお笑い界のロマンだよね。かっこいいけど」
その後、改めて沢山の部員にお礼された。
その度に私は恥ずかしさで泣きそうだった。
治「あなた、ボールがコートに入った時、声出してくれてありがとな」
あなた「ううん、私も無意識に、癖みたいなものだから……」
治「いいや、あなたが居らんかったら、ほんまにツムの選手生命立たれとったかもしれへんし」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。