それからも日々怖い時間は続いたけど私には守るものがある。
久々の病院
待ってる間すごくドキドキした
赤ちゃん元気かな?
もし元気じゃなかったら?
色んな不安が押し寄せた
そして診察室に呼ばれた
看護師さんに促され台に
先生が赤ちゃんの様子を見る
もー心臓が口から飛び出しそうだった
すると先生が少しカーテンを開けモニターを見せた
「藤堂さん、見える?赤ちゃん、ちゃんと居るよ!心臓もしっかり動いて元気だよ!」
モニターに写し出された赤ちゃん
小さい小さい赤ちゃん
小さいのに、ちゃんと動いてた
心臓も、しっかりと。
涙が出た
ちゃんと"居た"
ずっと不安だった
地震があったりした
まだ胎動がある訳でもない
もし死んじゃってたら?
本当に居るの?
ずっとずっと不安だった
「しっかり成長してるよ!不安だったよね!でも、ちゃんと元気だからね」
『はい見えます!生きてる!動いてる!かわいい!』
モニター越しの赤ちゃんに愛おしい気持ちになった
それから台を降り先生と話す。
「地震とかあって不安だったね。でも今、赤ちゃんは特に異常もなく元気で順調に育ってるからね!今日母子手帳貰いに行ってね!」
そして先生から渡されたエコー写真
『かわいい。ちっちゃい。』
隆二と私の赤ちゃん
ちゃっと生きてる
嬉しかった。
早く隆二に見せたい
それから次回の予約をして帰宅した
早く隆二、帰って来ないかな?
早く報告したい
見せたい
たった1枚のエコー写真
何度も何度も見た
飽きない
愛おしくて可愛いくて
更に絶対守ると誓った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。