第12話

てん
948
2022/07/28 23:48
太陽の日差しが強く照りつける真昼どき

警察から逃げるためクレイドへ向かっていた僕らは、人ひとりいない道をロディの運転するトラックで走っていた
ロディ
ロディ
……なぁ、デク。ケースの秘密がわかったら、俺、家に帰れるよな?
前を見たまま、ロディはそう聞いてきた
出久
出久
もちろんだよ! あ、幼い弟さんがいるんだっけ?
ロディ
ロディ
妹もな
彼は昨日の夜、洞窟の中で弟と妹を養うために働いていると話してくれた

……そういえば、彼の口からは一度もご両親の話が出ていないような気がする
出久
出久
ご両親は?
ロディ
ロディ
お袋は一番下の妹を産んだあと、すぐ逝っちまった
だからオヤジは、俺たちを必死に育ててくれた
ロディ
ロディ
……けど、いきなりいなくなった
出久
出久
いなくなったって……
驚いた声をあげた僕の方をチラッと見て、ロディは他人事のように話し始めた
ロディ
ロディ
ヒューマライズって知ってるか?
出久
出久
無差別テロを起こした団体……
ロディの口からは、思ってもいなかった言葉が聞こえてきた

無差別テロを起こした団体「ヒューマライズ」

僕たち日本のヒーローは、まさにその団体が引き起こした事件を解決するために世界中に派遣されている
ロディ
ロディ
ああ
ロディ
ロディ
オヤジがそこの団員だってことがわかって、そっからはもう散々さ
ロディ
ロディ
ツルんでたダチは離れるわ、学校や家を追い出されるわ、まともな働きぐちすら見つからねぇ
出久
出久
そうだったんだ……
ロディ
ロディ
オヤジのことを恨んださ
恨んで恨んで…………んで、どうでもよくなった
ロディ
ロディ
今は弟と妹の方が大事だ。まともな生活を送らせてやりたい
するとロディはペンダントを取り出し、僕に渡した

ペンダントの中には写真が入っていた

誰かの誕生日会の写真だろうか。写真には4人の人物が写っていた
出久
出久
へえ、かわいいね
そう言うと、ロディは満足気に笑った
ロディ
ロディ
弟は頭のデキがよくてさ、妹はかなりかわいい
将来、絶対美人になる!
出久
出久
うん
温かい気持ちになりながら写真を見ていると、視線の端の影に気づいた

ロディが運転席から身を乗り出し、僕の手元のペンダントを覗き込んでいたのだ
出久
出久
前! 前見てロディィィィ!!
ロディ
ロディ
うおおっと…………あぶね……
はは……すまん…………
出久
出久
あ、はは……弟さんたちのこと、大好きなんだね
ロディ
ロディ
まーな
家族のことを話しているときの彼は、とても優しい顔をしていた

彼がきょうだいのことを支えるのと同じように、彼もまた、きょうだいに支えられているのだろう。そう感じた
出久
出久
ところで、この奥の女の子も妹さん?
他の3人とは顔立ちの違う、白いワンピースを着た女の子

笑顔で並ぶその姿は、家族にしか見えなかった
ロディ
ロディ
あー、そいつはちげえよ
いわゆる幼なじみってヤツ
出久
出久
へえ、そうなんだ
すごく仲良さそうだったから、てっきり家族かと思ったよ
ピノ
ピッピ!
ロディの頭の上で、ピノが嬉しそうに鳴いた
ロディ
ロディ
……そいつは……まあ、俺のヒーローみたいなもんだよ
俺を…………俺たちを、暗い路地裏から引っ張り出してくれた
ロディ
ロディ
あなたって言うんだけどさ、ホント、なんていうか……
とにかくお人好しなんだ。度が過ぎるくらいのな
ロディ
ロディ
困ってる人がいたらすぐに助けに行くし、泣いてるガキがいたら個性使って笑顔にしちまう……
お人好しっつーより、お節介って感じかもだけど
ロディ
ロディ
でもそんなあなたがいたから、今の俺がここにいるんだ。多分な
出久
出久
…………ロディって
ロディ
ロディ
出久
出久
もしかして、あなたさんのこと好きなの?
ロディ
ロディ
ばっ………………は!?
図星だ

嘘をつくのは得意なはずなのに、そうでないときの彼は本当にわかりやすい
出久
出久
だって、あなたさんのこと話してるときのロディ
ずっと顔がゆるんでるんだもん
ロディ
ロディ
あ”ーーーーー…………
…………そうだよ……
耳まで真っ赤にしたロディは、口をとがらせてそう言った
出久
出久
ふふ、やっぱり
出久
出久
告白はしないの?
ロディ
ロディ
……いや、そりゃできたらいいなとは思ってるけどよ
ロディ
ロディ
……ビビっちまってんだ
アイツなら受け入れてくれるってなんとなくわかってるはずなのに、やっぱそのせいで今の関係崩れたりしたらって思うと、動けねえんだよ
出久
出久
そっか……
出久
出久
……でも、一度勇気を出してみたらどうかな
ロディは「どうして?」と言わんばかりに、視線だけこちらに向けた

僕はそのまま話を続ける
出久
出久
だって、小さい頃からずっと一緒なんでしょ?
何も知らない僕が言えたことじゃないかもしれないけど、告白してちょっと気まずくなっても、今の関係は崩れたりしないと思う
出久
出久
僕にも幼なじみがいるんだ。だから、なんとなくわかるんだよ
昔からいろいろあったけど……今では大事な仲間のひとりなんだ
出久
出久
だから、そんなに心配しなくていいと思うよ
ロディ
ロディ
…………そんなもんかね
出久
出久
うん、だからあんまり気負わなくていいんじゃない?
出久
出久
がんばってね、応援してるよ
ロディ
ロディ
……ありがとな
僕らはそのまま、クレイドまで車を走らせた





深夜眠くなりながら書いたんでデクくんのキャラに自信ないです!!
解釈違いでしたら申し訳ない🙏🏻💦

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