第45話
❨5❩やっぱりさ…
私は通り慣れた階段をリズムカルに駆け上がる
いっつもここを通る時はジェルくんと一緒だった
ジェルくんの好きなところは沢山ある
誰に何を言われても自分自信を作り続けるところ
裏ではいつも頑張ってるところ
少しは頼ってよって言ってしまいたいくらいに、自分で抱えてしまうところ
全部全部好き。
どう言ったら許してくれるだろう…
もしかしたら、許してくれないかもしれない
当然だ。嘘をついたし、傷付けた
でも、許してくれるまで謝り続けよう
そう考えて少し明るい気分になって2ーAの扉に手をかけた
私の目の前に広がっている景色には机が並べられている教室と、その机にジェルくんが女の子を押し倒したような感じで覆い被さっている
その女の子は………
模部先輩………?
嘘だ嘘だ嘘だっ
神様は私に謝る権利すら与えてくれないの?
もう私は誰とも顔を合わせたくなかったので、屋上へ向かった
ガチャリ
扉を開けると柔らかい風が吹く
ジェルくん…………模部先輩の事が好きなのかな…
模部先輩可愛いもんな………
やっぱり、覚悟はしてたけど、イメージはしてたけど……いざ、他の女の人の元へ行ったとなると辛い