―教室―
クラスメイト「大丈夫??あなたちゃん」
『うん』
ガラガラッ
ななもり。「えーっと……ごめん俺来るの遅れたかも汗」
ころん「全然大丈夫ッ」
ななもり。「何があったか教えて貰える??」
クラスメイト「私達最初から見てた訳じゃないんだけど……腕を怪我してるあなたちゃんとカッター持ってる綺羅里ちゃんが居て………」
さとみ「綺羅里がやったのか……??」
綺羅里「ううん………私やってない……」
綺羅里「急にッ………あなたちゃんが自分の腕を切って……私にカッターを渡したの……」
綺羅里「お願い……ッ私を信じて…………」
莉犬「そっか………あなたは??」
『…………………。』
るぅと「僕は………正直どっちも疑いたくないです」
ジェル「俺もや」
るぅと「だって僕綺羅里もあなたも大切な“友達”だもん………」
友達………か。
折角そんな風に思って貰ってるのに自分から嫌われに行く私って………
ガラガラッ
クラスメイト「あの………」
ななもり。「うん??」
クラスメイト「……私……私屋上…で………………」
クラスメイト「……ッ…………」
どうして?どうしてその先を言ってくれないの??
お願い………言って……
クラスメイト「ど,動画撮ってました……」
ジェル「………スー…ハー……見して貰える??」
クラスメイト「…………」
なんで……早く渡してよ………
ゆっくりしてると私の気持ちが爆発しそうなの。
「皆に嫌われたくない」
「皆とずっと一緒に居たい」
って。
クラスメイト「ど,どうぞ………」
るぅと「これ……本当にあなたが……………?」
さとみ「嘘だろ………」
莉犬「そんな…ッ………あなたが綺羅里ちゃんを………?………なんで……ッ」
『なんで?私はるぅとくんが好きだった』
るぅと「……!?」
『皆の事も………家族のように好きだった』
『だけど………だけど綺羅里が皆を私から取って……』
あーあいつからこんなに嘘が上手くなったんだろう
ころん「嘘だ………ねぇ嘘って言ってよ!!」
ころん「あなたはそんな事する奴じゃなかった!!」
るぅと「そうですよ………誰にでも優しくて僕達を引っ張ってたあなたちゃんはどこ行ったんですか……」
ななもり。「ごめん………そういう事する子だとは思わなかった……」
ななもり。「──────────────??」
『そっか』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!