第124話
【記憶の中の少女】8話
確かブリコの親は金持ちだったからそんなフェイク動画を作ることなんて容易いことだろう…
今気付いたけど……
夢と…
前と……
同じことを言ってる…
また…
あの時みたいに…
あの視線で…
見られることになるの……?
気付いたら段々と目頭が熱くなってきていて
私の頬に一筋の涙が流れた
いつもなら…
私が泣いたりした時は
莉犬くんは慌てた様子で
るぅとくんはハンカチを貸してくれて
ころんは優しく背中を撫でてくれて
ジェルくんは心配そうな顔をしながら優しく見守ってくれて
さとみくんは優しい声をかけてくれて
なーくんは頭を優しく撫でながら最後まで私の話を聞いてくれて
みんなして慰めたりしてくれた
けど……
今は違う…
私は…
こんなにも私は…
こいつらのことが好きだったのか…
でも,ここで諦めたら…
もう仲良く出来なくなっちゃう…
いつもの莉犬くんじゃないみたいな声…
私が録音をとったのは教室に入る寸前からクラスメイトが入ってきた辺りまで
やっぱり私の事なんか信じれないよね…
録音よりも動画の方が信憑性あるよね
なんて?莉犬くん…聞こえないよ…
その瞬間私の視界は真っ暗になって何も見えなくなった…