第140話
実らない苦い恋 ⅩⅠ
はぁ…僕ってどこまでも意気地無しだなぁ……
あなた…
凄く綺麗になってた
それにやっぱり小さい頃から可愛い雰囲気もあって…
本当に好きなんだ…
だけど今あなたは
僕のものでも
さとみくんのものでもなかった
るぅとくんと幸せになってた……
僕って何がしたかったんだろ…?
よくわかんないな…
気が付いたら僕はあなたとよく来ていた公園に着いていた
ゆっくりと空を見上げると満天の星空が見える
そう言えば今日は七夕で天の川が見えるんだっけ?
東京は都会だからか星はあまり見えない
だけどそんな環境の今この場所でも
こんなに綺麗に見える
どれが天の川か分かんないけど()
あれ……
なんでこんなに涙が出てくるんだろ…
悲しいのかな…?
僕があなたに言ったのにね
「僕以上にカッコよくて,優しくて,あなたのことを大好きで,大切にしてくれる人と幸せになるって約束してくれる?」って…
それをあなたは守っただけじゃん…
しょうがないよね
3年も離れてたんだからそりゃあ気持ちは変わるよね…
ずっと待ってた
もう一度あなたと笑う日を
話す日を
声を聞く日を…
だけどそう考えてたのは僕だけだったみたい
わかってたのに…
そんなのずっとわかってたのに………
どこか期待していた自分が居た
あなたはずっと僕のことを好きでいてくれる……って
僕だけ
1人で
いつか僕だけにあの笑顔が向くことを
あの優しい声を独り占めすることを
あなたを僕で埋めることを……
夢見ていた…
そうやって僕の涙を優しく拭うあなたは本当に綺麗で
昔から雰囲気だけは変わってなくて…
本当に…好きだな………
chu♡
天の川の下で僕達は
まるで彦星と織姫のように結ばれ
より一層愛が深まった
実らない苦い恋
Happy End