第129話

実らない苦い恋 Ⅰ

2,369

2020/03/27 01:45

よく,片想いは楽しいし楽だとか言うけどさ


何も楽じゃないし,楽しくもない


私の彼氏でもないから他の女の子と話している所をただ見ることしか出来ない


君を見るほど,君の声を聞くほど,君が笑うほど


私の心は暖かくなって,キュッと締め付けられて


悲しくて切なくて……


どんどん好きになっちゃうんだ


君への好きが溢れるまで…あと5秒

あなた

あのさ

＿＿｡

ん？何？

君の優しい香り


君のその水色の髪


君の笑顔｡


少しガスガスなヤギみたいな声｡


君の全部全部……

あなた

好き…

ころん

え…？

あなた

ころちゃんが好きなの…小さい時からずっと…ずっと……大好きなの

あなた

他の女の子と話している所を見ていることしか出来ないのが辛いの…

あなた

ころちゃんの笑った顔,歌声,女の子に優しいところ全部が好きなn

ころん

しっ…わかったから

ころん

あなたが僕のことを好きなこと｡あなたが苦しかったこと…

ころん

全部わかったからさ｡
言わせて？

あなた

うん……

ころん

あなた…僕もあなたのこと好きだよ

あなた

え……嘘…

ずっと夢見てた…


いつか幼馴染みとしてじゃなくて彼女としてころちゃんの隣に居ることを…


その夢がやっと叶うの……？

ころん

でもね…

あなた

え……？

ころん

あなたの好きと僕の好きは違うんだ

ころん

本当にごめん僕はあなたのこと…幼馴染みとしてしか見れない…

あなた

そっ……か…そうだよね……ごめん

気付いたら私もころちゃんも泣いていて…


夕日に照らされてキラキラ光った涙を流しているころちゃんを綺麗と思った


愛おしいと思った………


でも,ころちゃんにこの気持ちを押し付けちゃ駄目だ…

ころん

僕…先に帰るね……

あなた

あ…うん

ころん

あなた……さようなら…っ

あなた

え……？

いつもなら｢またね｣って言ってくれるのに…


今日は｢さようなら｣って…


あぁそっか


私が気持ちを伝えた時点で｢また(会おう)ね｣を聞けるはずないのか……


振られることは分かってた


でも…心のどこかでは少し期待していた


ころちゃんが柔らかく微笑んでくれるから


ころちゃんが私に優しくしてくれるから


ころちゃんは私にだけ距離が近いから…


でもそれは全部全部…


“幼馴染み”だからだったんだね……


片想いって終わっても辛くて切なくて…苦しいんだね…