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第1話

出会い
1,333
2020/10/13 08:23

それはとある春の日。


もう4月の後半だというのに桜が舞っていた。





俺は買い出し帰りに人気のない帰路を歩いていた。

家の近くには小さな公園があり、もちろんこの時間は誰もいない。




はずだった。




公園の隅の方に

女の子が倒れていたのだ。


江口拓也
えっ!ちょ、ちょっと!
(なまえ)
あなた
…………


呼びかけるも、その少女の瞳は開かない。




え〜〜〜

これどうすればいいんだ……






このまま放置してたら風邪ひくよな……








江口拓也
よいしょ



俺はその子をお姫様抱っこして家に帰った。














江口拓也
ただいま〜
安元洋貴
おかえり〜おっせーぞ。
安元洋貴
買い出しにどんだけ時間かかってんだよ
西山宏太朗
先輩〜おかえりなさ〜い
西山宏太朗
ってその子どうしたんですか!?
安元洋貴
おいおい。まさか誘拐…
江口拓也
違いますよ!
江口拓也
近所の公園で倒れていたんです!
西山宏太朗
ふ〜んそれでその子どうするんですか?
江口拓也
ん〜とりあえず起きてからじゃないとわからないな…
安元洋貴
だな
安元洋貴
まぁ飯食って待ってよーぜ
江口拓也
ですね!



はぁ〜お腹空いたな〜



それにしてもこの子…


足…手…


至るところにあざと傷が……




どうして…





(なまえ)
あなた
ん……
江口拓也
あっ!起きた!
(なまえ)
あなた
えっ…………?


よかったぁ…

このまま起きなかったらどーしよーかと思った…

(なまえ)
あなた
えっ……あの……
安元洋貴
おぉ!起きたか!
西山宏太朗
おはようございます
(なまえ)
あなた
えっ……?えっ……?
江口拓也
おぉごめんね
江口拓也
俺は江口拓也!
安元洋貴
安元洋貴です
西山宏太朗
西山宏太朗です
(なまえ)
あなた
え、えーと……
(なまえ)
あなた
七瀬あなたです…




これが彼女との出会いだった。




窓の外には美しい桜の花びらが踊っていた。

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