第13話

タノシイ?
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2021/02/28 11:22


あの日から僕たちはずっと一緒だった。


美波が居られないときはかけるが、

かけるが居られないときは美波が、


僕を一人にしないようにしていた。



あの後から竜也からの呼び出しは絶えないけど

美波の知恵とかけるの判断力でなんとか逃れられている。





それから1年が経ち、僕は10歳になった。

最近は竜也達からの呼び出しはなくなった。


まぁ視線は痛いけど…




そして夏も終わりかけの秋風が吹く日…事件は起きた。








その日はかけるが体調を崩して自室で寝ていたんだ。

そんな時運悪く美波が先生に呼ばれてしまった。




施設に仲の良い僕の味方をしてくれるのは

あの二人だけだった。







 
竜也
拓也
幼少期の拓也
竜也
お前…ちょっとこっち来いよ
幼少期の拓也
い、嫌だ…
竜也
あ"?
たつき
おいおい断るとはいい度胸してんなぁ
幼少期の拓也
……
竜也
年上の命令は"絶対"
竜也
ここのルールだよなぁ?







神様は僕には味方してくれないみたい







僕よりも何倍も強い力で引っ張られていく。

始めは抵抗したが後ろにはたつきがいて抵抗するだけ無駄だった。










ごめんね…美波…かける…







僕が怪我をするのは、僕がどれだけ罵られようが

別にいいんだ。



でも、こんな僕のことを守ってくれようとする二人の…

二人の悲しい顔だけは








見たくないよ…







ドサッ
幼少期の拓也
痛っ…


乱暴に地面へと叩きつけられる



冷たいコンクリートが頬に触れる。
竜也
このところストレスが発散できなくて困ってたんだよ


そう言いながら竜也は指をならす。



ここは竜也達の秘密基地みたいなところ。


施設の倉庫の裏にできていて


人なんて滅多にこない場所。








いじめるには好都合で最適な場所だ。

















それから

何度蹴られたのだろう。

何度殴られたのだろう。

何度罵られたのだろう。





もう分からない…ワカラナイヨ





足も、腕も、お腹も。いたる所が痛い。


顔はすぐバレるからあんまりやらないのが不幸中の幸い。





幼少期の拓也
もう…やめてよ…
たつき
ギャハハハハハハハ‼うるせぇなぁ!


そう言いながら僕を蹴る。




もう…やめてよ…





僕を蹴ってそんなに楽しい?


僕をいじめるのがそんなに楽しい?












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