本当に今日は最悪だ
いつしか雪は本格的に降り出し、俺の体に触れては消えていく
それは優しく…体温を奪っていく
この声は唯の八つ当たりに過ぎず、当たる先は儚く消えていくため、後には唯、虚しさが残るのみだ
もはや何故自分が走っているのかも分からない
叫び声が聞こえた、だから何だというのだ
何処からかは分からないがこれだけ走っても着かないところからでも聞こえたなら、俺以外の誰かがもう向かっているはずだ
そう考えながらも、足を動かし続ける
何時しか自分の荒い息と雪を蹴る音しか聞こえなくなり、位置の特定が難しい状況になっていた
それでも、走る
闇雲にでも進めば、何時かは目的地に着くと信じているから
愚痴と共に傍にあった角を勢いよく曲がる
そこには、誰かが倒れていた
あの声の人物が目の前で倒れている人と同じかなんてわからないはずだ
なのに、何故か俺はそうだと確信を持っていた
まるで何かに導かれているような…そんな感覚がした
近づいてみるとよく分かるが、まだ幼い子供だった
声をかけても返事が帰ってこない
どうやら意識を失っているようだ
けれど、それだけではなく、呼吸が早い
普通なら親を探すのが正解だが…誰も来てないことを考えると…
それに、ここは退廃地区だからな
つまり、その方法は使えない
他の奴らに頼るのも難しそうだ
ここまで来て見殺しにもできないし…
それしか選択肢がない気がする
正直この案を出した自分に驚いている
普段ならそんな事、考えないはずなのに
もしこれで何かあったら責任取れないから嫌なんだが…しかたない
子供の体に触ると、冷たかった
息はあるから生きてはいるが、相当冷えたようだ
震えている
俺はまた、走り出した






















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。