第11話

スピーチコンテスト
81
2021/04/19 09:00
先生
えぇ……スピーチコンテストの応募が集められています。興味のある人はこの用紙に書き込んで応募するように。次は……

朝のホームルーム。

皆、まともに聞いていないが、僕はスピーチコンテストが気になった。


それも、どうやら人権に関するテーマらしい。


チャイムが鳴り、ホームルームの終了が告げられると瞬く間にクラスが騒がしくなった。


僕はスピーチコンテストの応募用紙を手に取る。


第36回スピーチコンテスト!

今回のテーマは【人権】

あなたが考える世界の課題や人権に対する考え等……!

審査員が審査した結果、最優秀賞に輝いた方のスピーチはテレビで放送されます!

あなたがこの世に伝えたいこと、スピーチで伝えませんか?

たくさんのご応募お待ちしております。


僕はこのような内容のかかれたチラシを読んだ。

瀬木 琉菜
瀬木 琉菜
けーいちゃん!


瀬木だ。

僕は急いで数学のプリントを手に取り、スピーチコンテストの応募用紙を隠した。


瀬木 琉菜
瀬木 琉菜
なんだ、数学のプリントかぁ。てっきり、スピーチコンテストに出るのかと思ってたよ!

瀬木はそう言うと、また陽キャの集まりに帰って行った。


ほっとしているのもつかの間、次は夜菜さんが来た。
栗原 夜菜
栗原 夜菜
応募するの?
川瀬 渓
川瀬 渓
いえ
栗原 夜菜
栗原 夜菜
応募しなよ、あんたならいけると思う
川瀬 渓
川瀬 渓
え……


夜菜さんはそれだけを言うと、自分の席に戻った。


僕はスピーチコンテストの応募用紙をポケットにいれた。

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