ユンギside

　　　　　　　飲み物を買いに
　　　　　　事務所の自販機に向かった

　　　　　　　　自販機に着くと
　　　　　　女の人が飲み物を買っていた
　　　　　　

　　　　　でも、後ろ姿で分かったよ





　　　　　　あなただってことが。







　　　退院することはなんとなく、聞いていたが
　　　　　　　　もう事務所にいるなんて

　　　　　　　どんだけ仕事熱心な奴なんだ






　　　　　お見舞いに一度足を運ぼうとした
　　　　　　　　　　　だけど
　　　　　　　ナヒから『記憶喪失らしい』
　　



　　　　　　　　と聞いてから俺は
　　　　　お見舞いに行こうとは思わなかった
　



　　　　　俺が行っても何も変わんねぇんだからさ
　　　　　　　







　　　　

　　前はよく練習の後によく自動販売機の前にいて
　　　　　まだ若いのにコーヒーを飲んでた




　　　　　　　その姿をよく見てたから

　　　　　　今のあなたを見るといつもの
　　　　　　　日常が戻ってきた気がして



　　　　　　話しかけずにはいられなかった

　　　　　　そう言っているあなたを見て
　　　　　　　　後先のことを考えず

　　　　　　　　一瞬の頭が働いて
　　　　俺のことを覚えてないのなら敬語だよな

　　　　　　　と思って敬語で話しかけた




　　　　　　　　でも、少し後悔した


　　　　　これで引かれたらどうしようとか

　　　　　　　そう思った時にあなたは
　　　　　　長い髪を揺らし振り返ってきた

　　　　　　　　返答は『あ、はい』

　　　　　　　　　　　とか
　　　　

　　　　　　　　　『どなたですか？』

　　　　　　って返ってくると覚悟していた

．

　　　　　　　　思いもよらぬ返答に
　　　　　　　俺の心の声はダダ漏れだ

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