第32話

『君にしか聞こえない』31
102
2020/06/26 04:27
☆31☆





ハ「……ハァ…だいきぃ……」





酸素マスク越しの声が、息苦しそうだった。





重「ハル…ゴメン…来てもうた…」




ハ「…私ね…お願いしたの……大毅が来るようにって………叶ったww」






血の気が無い、その唇で笑うハル。






重「よかったなぁw」






笑えとるんかな?俺?


もぉ…何も分からへん…






ハ「…良かった……大毅…笑ってくれた……」






差し出したハルの手を握った。






少し冷たかったが…まだ、生きている。



そんな感触だった。






ハ「……約束……守れなくて…ごめん…ね………」

重「何 言うてん!そんなん…許さんからな!」

ハ「ゴメン…」

重「イヤや!……ハル………好きやねん……ハルが居らんかったら………どうやって生きて行けばええねん……」













ハ「大丈夫。……大丈夫だよ………」






ハルは そっと、俺を撫でた。








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