「」…平野くん
『』…あなた
title:私のお兄ちゃん
これは、私が高校生の頃____。
《ごめん、もうあなたとは一緒にいられない》
『でも私まだ…』
《ごめん。あなた以外に幸せになりたい人ができちゃったんだ。》
はあ。ついてない。
とことんついてない。
彼氏に振られ、
体力もない。
そんな中、家に帰る。
あの人なら…って思ってた自分が馬鹿みたい。
『ただいま、』
「おおっ、あなたおかえり!」
兄の紫耀が、むくな顔で私を迎える。
「なんでそんなに元気ないの?」
『んーん、なんでもない』
「なんでもなくないでしょ」
『てか、お母さんとお父さんは?』
「今日二人とも仕事なんだって。」
『そっか。』
「ねえあなた、絶対なんかあったでしょ」
『ないって、笑』
無理に笑顔を浮かべる私に兄は寄り添う。
「ほら、あなた嘘つくとすぐ目潤むじゃん」
なんでバレてるの…
「なにがあったのか、話したら楽になるんじゃない?」
『彼氏に振られたの、』
しんどくなって、抱きついた。
「ちょ、あなた、」
『私だって…私だって…』
泣き続ける私の頭を撫でて
大きくなった背中で
私を包んでくれた。
「あなた、」
『ん、?』
顔をあげると、
「(チュッ)」
『っ、!?//』
「あ、ごめん、つい//」
『あの、そ、その…/』
え、なに?
顔が熱くなって
体全身が熱くなってゆくのを感じる。
「だからさ、もういっそ、」
『うん、?』
「おれと一緒になってよ」
End...
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。