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第2話

そして雛鳥は出逢う















どこまでも長く続く一本道に
どこまでも高く昇る太陽








あぁ、暑いなと思う













【そして雛鳥は出逢う】











「……何この暑さ……無理なんだけど」






ミンミンとうるさく鳴り響く夏の蝉


帰り道に買ったアイスキャンデーはすでに溶けかかっていてうんざりしながら私は帰路を歩く







世間は夏休み真っ只中でもちろん学生である私も夏休みの最中なのだが






「…ったく、山田のやつ補習の時間長いのよ」


残念ながら私は学生の本分、【勉強】というなの夏期講習に追われていた







山田、というのは数学の担当教科の名前で昼前に終わると聞いていた授業が終わったのはまさかの昼過ぎだった






はぁ、とため息を着いてまわりの景色を見渡す


市街でもなければ何か観光名所がある訳でも無いこの辺りは完全にド田舎で周りの景色は田んぼと時々チラホラ見える民家ぐらいだった








(………退屈)




部活をやっているわけでも何か熱中できる趣味があるわけでもない自分にとっては夏期講習に追われるだけの夏休みは見事に退屈で面白みがなく、





「…はぁ」




もう一度深い溜息をついて食べ終えたアイスキャンデーの棒をゴミ箱に捨てた



















──── チリン










(……?)





どこからか聞こえてきた風鈴のような
そんな不思議な音が聞こえてきて下げていた視線をあげると、そこには一台の自転車がこちらに向かってくるのが見えた






(自転車の音か…)





風鈴だと思っていた音は自転車の呼び鈴を鳴らした音で鳴らしたと思われる自転車の持ち主は周りに誰もいないと思っているのかとても楽しそうに鼻歌まで歌ってリズミカルに呼び鈴を鳴らしていた






(……あれは、……オレンジ君じゃないの)




【オレンジ君】というのは自転車に乗っている彼を表した言葉でこの道を通る時によく見かける男の子の事だ。あだ名の由来はその特徴的なオレンジ色の頭からきていて、もちろん彼は私の知り合いでもないし言葉も交わした事がない











「フフンフンフンフーン♪フンフンフーン♪




フン…………って、うわぁ!?」





もうすぐですれ違うという時にオレンジ君は私の存在に気づいたのかめちゃくちゃ驚いた後に呼び鈴と鼻歌を即座に止め、


「す、すすすすすみません……!」


と顔を真っ赤にさせながら小声で謝り、爽快に自転車を飛ばして走り去っていた










(……オレンジ君よ



いくらここが人っ子一人いなさそうなド田舎でも目をつぶりながら一人コンサートはするもんじゃないぞ…)





オレンジ君の後ろ姿を眺め、そう心の中で呟いた私は再び目線を元に戻し、帰路を歩いた













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