2月の終わりに恭平くんの誕生日があってさぁ、その5日後にあたしの誕生日がくるやろ?
だから、パパ、お祝いして♡
はー?
恭平の方が稼いでる
そんなわけないやん?
2人でディズニーランドに泊まりで行ってきてもいい?
オレは?連れてってもらえないの?
いいよ♡
3人で♡
嫌がれよ、2人で行っておいで。
え、、、???
17歳だろ?2人とも。
向こうの親がなんて言うかだけど。
焦ってた、あたし。
もう、これが最後になるかもしれないって。
話が進めば進むほど、切り刻まれるような思いに駆られる。
旅行会社でパンフレットをもらって、駅前のマクドでどれにするのなんのって話をして、ウキウキして、、、真っ暗な道を手を繋いで歩いていく、、、
この人、すごい。
と言ったら、涙が出てしまった、、、
恭平くんは、黙ってそれを拭う
私に言い聞かせるように、ゆっくり言う
決して晴れることのない問題。
なにも言わないのに、、、わかってくれてた。
いつもの帰り道が、真っ暗でよかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。