第124話

パパの匂い
612
2020/03/25 22:33
恭平くんの姿を見たら、なんか落ち着いた。



遠ざかる彼は、力なくしゃがみこみ、道枝くんが駆け寄った、、、




あたし、とりかえしの付かないことしてる。
でも、これでいいんだ、、、


あたしたちは、泣けばいい。


そうして、大人になるんだよね、きっと。







あなた

博多駅に着いた

パパ
すぐ行く
パパは黙って、抱きしめてくれた。


なんでもいいんだよ、
生きててくれたらそれでいい
でもさ、心配なんだ
もう、やめて



うん、ごめんなさい



恭平にも、連絡しておいて
なにがあったのか、どうするのかは別として
ここに来てること言っておいて



パパから連絡して
あたし、眠りたい




パパの仕事が終わるまで、パパの部屋にいることにした。ベッドに横になってねてた。


具合が悪いわけじゃないけど、、、
なにもできない、、、




3日間寝た。
パパは、土日も仕事に行ってた。

働きすぎだよ、、、




そうやって、くれてたんだね。


ごめんね、あたし、なんにも知らなかったの。







大切な人、たくさん泣かせて。





パパの部屋で1人、泣いた
この先、一生泣かなくていいくらい泣いた


そして、また寝た



パパは優しく頭を撫でてくれた。


何も食べれなかった。






あたし、引っ越して来てもいい?



ダメ



そっか。



お前は、恭平といるんじゃなかったの?



・・・もう、無理なんだよ


なんで?


・・・






寝る・・・





あ、学校、連絡あった?
日数足りないから、3年にあがれないって。






パパの匂いがするベッドは、優しい空間。


大丈夫だよ、生きてれば、大丈夫なんだよ


そう、言ってくれてる気がする。






パパは、ママを失ってる。それでも、生きてきた。そうゆう意味なんだろうね、、、


恭平くんはそこにいて、生きてるのに。
なんで逃げてんの?ってとこだよね、、、





でも。




切ない

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