駅前の公園の角を曲がったとき、どさっとも、がしゃんともつかない、、、すごい痛そうな音がした。
音の方を向いたら、家の塀に向かって女の子が立ってた。
痛い、、、
って言って。
哀れすぎて直視出来ずにいたら、ほっぺたから血が出てた。
思わず、
大丈夫ですか?
どないしたんですか?
と聞いたら、
自転車でぶつかった
と。自転車??と思ったら、角の向こう側。
どうやら、自転車であっちの壁に激突し、跳ね飛ばされ、顔面強打したらしい。
笑ってしまった、、、
ごめん、不謹慎、、、ふふふ
いえ、、、ご心配をおかけしました
と、普通に自転車を起こし乗ろうとしてる彼女。
すごい勇気だよね、、、大丈夫ですか?
病院一緒に行こうか?
病院?
そんなに血でてます?
いや、、、
こんなことになったのに、自転車で帰るの?
他に、どうしたらいいか、わからない
あたし、自転車苦手なんです、、、
自転車は、チェーンが外れてた。
ごめん、それはオレでは直せんわ
一緒に自転車屋さん探そうか。
はい、お願いします。
とりあえずさ、怪我したとこ、洗っておいでよ
はい
走り出した彼女は、どこに向かったのか、、、
ちょっと、どこいくの?
ん?家?
近いの?
いえ。あ。公園でってことか!
ははっ、そう。
いつもこんな感じ?
はい、ボケてます、、、
顔だけじゃなく、ひざも、手のひらもすごい擦りむき様だった。
少し行った所に商店街があって、自転車屋さんがあるみたい。
彼女に伝えると、、、
一緒に行けます?
高橋恭平くんですよね?
助けてもらえます??
と言って、手のひらを見せてくる。
絆創膏を差し出した。
しゃがんで、膝に貼った。
女の子だから、かわいい絆創膏あげたのに、上下逆に、貼りおった、、、
かわいいわぁ、、、笑った顔が天使やな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。