ピンポーン
おばさん、お久しぶりです。
あなたちゃん!!元気やったんか?
はい、、、肋骨ひびったりしてましたが。
えぇ?そうなん?なんも言わんで、知らなんだ。ごめんなぁ
あの。
恭平くんは?いる?
いないよ。今日は帰らんって。卒業式の日だけ帰るって言ってた。
あ、そうか。
これ、渡しておいて。
あれ。会えてないやろ?多分嫌いになったんとちがうやろうけどな、、、
大丈夫です。もう、このままで。。泣けちゃうから。
電話してやってよ。
私、春から東京の大学に決めました。おばさんにも、会えなくなるし、おばさんのごはん食べれなくなるから、寂しいけど。
恭平いる時に、ごはん食べにおいでよ
ありがとうございます。また。
ほなね。渡しておくよ
不在。
パパには、ぶっ飛ばされなくてすみそう、、、
お誕生日プレゼント。
シルクのネクタイ。
似合うかな?濃い青のネクタイ。
もう少し、大人になったら使ってね
とメッセージをつけた。
話したかったし、会いたかった。
でも、このままなんだよ、きっと。
誕生日なのに、会えなかったなんて。。。
おばさんに会えて、よかった。
夜。
パパがやっと、いつものパパに戻った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!