(弟妹の中にママの「情報源」がいる……!?誰……何人…?)
あかね…
まひと…?
まふゆ
さら
さあや
ジェル…
あの子スコアいくつだっけ
えっ
ふたば?
えっと……直近7日の平均は203ちょい…
高いね…
ももとの鬼ごっこの時ラスト6人まで残ってたんだよねあの子……
……
さあやと一緒にいつもあなた達2人探して…
さとみどこー?
莉犬は?
ゾワッ
わーやめて!!
こわいこわいこわい!
:(´◦ω◦`):
馬鹿!もっと疑ってよ!いやでもとことん!
生きるか死ぬかなんだから
食堂にて
いただきます
私まだ納得してないからね
脱獄決行は10日後
11月8日だ
ちょっちょっちょ!!
急過ぎない!?いやいいんだけど
よくないよ!
莉犬の頭をズビシと叩く
ママの目的は制御ーーだから「標的が動かないならママも動かない」ゆえに「時間がある」って話じゃない!
うんそういう話だからこそだよ
どういうこと?
俺らにそう見えているってことはママにもそう見えている
裏をかきたい
どの道冬になる前には逃げたいしね
それにそこまで急な話でもないでしょ?
訓練含め諸々ママの策が読めなかった分急ぎで進めてきたわけだし必要なことは全て残り10日で片付ければいい
ママは「情報源」の存在を隠すつもりがない 色んな打算はあるだろうけど本気で隠したかったらフリでもももに年長者(おれら)7人をマークさせる
「時間がある」は罠だ
食事終了後
「発信器を壊し次第最速で脱獄を決行しよう」
さすがに現実無茶じゃない?
(10日後って)
ーーーと思うだろ?だから裏をかけるんだでなきゃ意味がない
(多少無茶でもあと10日…それまでにすべきことその第1が……ジェルところんとるぅとを引き入れること)
図書室へ向かっている途中
チームを分けて増やせれば逃走の機動力も上がる
まず仲間に引き入れるーーーたとえ3人がママの「情報源」でもその対応は後でいい
ーーーで?実際どう話す?いかに事実といえど言い方考えないと拒否られてアウトだよ
いい?誰もが私みたいにソッコーで信じると思わないでね?
ゴゴゴ
目がガチ!
それについてはさとみと莉犬とも話したんだけど
本当のことは言わない
ちょっ…またそうやって隠……
危険にさらしたくない
え?
ママが動かないのは僕達が変化を表に出さないからボロを出したら即出荷もあるかもしれないし脱獄は成功させるけど…
万が一失敗しても真実を知らなければあの2人はまだ生きられるかもしれない
嘘つきだって思われてもいい
騙されたって後で恨まれても構わない
鬼以前にママに殺されたら元も子もない
真実を話すのは今じゃない
……
とはいえあの真実でなくてもジェルところんとるぅとが俺らの嘘(はなし)を信じてくれるのはまた別の問題だけどね
図書室の扉をあける
(さぁ勝負所だ)
ガチャ
お待たせ3人とも
なんや?話って
真実(うそ)を説明中
え
人身売買…?
うん……今までの兄弟みんな悪い人に売られてたの…
(そう言うのね…)
( ・д・ ポカーン…
(´∀`*)ケラケラ
何深刻に話し始めるかと思ったら…アハハないないないない!!
でも塀に門扉…出ていった兄弟達から手紙の1つも来ないのも
またまたァ!で?オチは?一体これ何の遊びや?
全員「…………」
ん?えっ本当とか言わないよな?
本当
ちょっ………え?待ってじゃあママは?
悪い人に僕達を売ってる……
は!?バカ言え!!
ふざけないでください!
あんなに優しいママが…そんなことするはずがありません!
取り消せ莉犬!!
(ああ…やっぱりこうなる…)
ジェル、るぅと
ハウスのことママのこと大好きな莉犬がそんな嘘つく理由ない
……
……
(ころちゃん…)
それに…変だと思ってた…
あの日…莉犬とななもりとさとみが門へ行っていつもの3人ならたとえ規則を破ってもすぐに正直に謝って元通りーーーなのに
(あ)
えっ
そうなんですか?
謝るどころか3人には口止めされるし
……
……
ママは本当罰ゲームみたいなお手伝いさせてくるし
……
……
莉犬すぐどっか行くし…なんかすごく真剣だし…どんどん聞けなくなって…
うっ……
うわぁぁん😭😭
莉犬抱きついて泣く
ごめんね…ごめんころちゃん…
(不安にさせてたんだ)
見たの?莉犬はりけんも売られて行った?悪い人に……
!
……
ああ
でも間に合わなかった
えっ
待ってや…りけんまさか…
ハッ
無事なんですよね?大事ないんですよね!?
分からない
そんな……
何やねん
そんな…!!
ここから逃げてりけん達助けに行こう
!!!
!!!
全員で一緒にここから逃げよう
証拠になるかわからないけれどここ数日でななもりと柚希と莉犬で調べてもらった兄弟のスコア
ころん、ジェル、るぅと「スコア?」
出ていった子達の分は又聞きだし全員分ではないけれど6歳以降スコアの低い順に里子に出されているーーー変だろ
確かにりけん
このスコア…
あゆなもあすむも…
……
お願い……信じて……助けて……
……
……
……
一緒に逃げて!!
ひとまず信じてもらえてよかった
いやあれはまずいでしょ…
何が「わからない」「助けに行こう」なの?あそこは「死んだ」って言っときなよ…!
いや円滑に引き入れるにはあれがベストだった
そりゃ ただ鬼の世界にとび出そうってのも「うん行こう」とはならないけれども…!もしジェル達がスパイじゃなかったらこの嘘は残酷すぎる……ありもしない希望を与えないでよ…!真実はいつどう言うの?言えるの?
その時はその時だよ
まだ3人が「情報源」だって線もぬぐえないしね
就寝前
その晩ころんと久しぶりにいっぱい話をした
いっぱい笑った
まるで小さな子供みたいに
1人じゃなかった
わかってくれてた
これからは一緒に闘える
スー…スー…
カタ…
……
キィ…
パタン…
(ころちゃん……)
「仲間に出来たら。次は「情報源」かどうかあぶり出す。手始めに1つ仕掛けてみよう。」
「どうするの?」
「ロープの在り処を教える」
「えっ」
「勿論嘘のね」
「ジェルところんとるぅとそれぞれに別々の場所を伝えるんだ。既にダミーのロープも隠しておいた」
「僕らの懐に潜り込んで今まで得なかった重大情報を得た「情報源」なら必ず動く」
「誰が動くかママにどう漏れるかジェルところんとるぅとが敵(スパイ)かどうかはそれで辿れる」
………
カサッ
スッ…
ピク
ニコ
……
誰かがころんの肩に触る
∑(O_O;)ビクッ
待ってたわ
ころん♡
(えっももの部屋…?どういうこと?ころんともも?)
「ロープの在り処 3人にはこう伝える。ジェルには「俺のベッドの裏」ころんには「2階トイレの天井裏」るぅとには「食堂」」
でも実際はーーー
カサ
そう
ロープがさとみのベッドにあるの
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。