鬼の足跡と周囲の音だけが、聞こえて来る。
女将
「いらっしゃい。狐白様は竹の間に居ります。」
何処かのお店らしきとこに入ったのか女の声が聞えれば再び鬼は動き出した。
木の板を踏みギシッと軋む音が聞こえるも部屋の前に付いたのか動きが止まる。
鬼
「狐白様、入りますぞ-。」
狐白
「あぁ-…入れ。」
鬼の声と共に女の甘ったるい甘えた声や扉の開く音が耳に入って来る。
鬼
「狐白様は本当女にモテますな~。」
狐白
「そうか?其れはどうでもいいが でぇ。ソレは何を持ってきたんだ?」
鬼
「女か男かまだわかりませんが、上玉だった者で捕まえてきました。確か狐白様が好きそうな顔をしてましたぞ」
笑いながらそう述べると日向を床に下ろしては頭に被している袋を外す。
袋が外れれば眩しいのか目を細めるも目が慣れてこればかり周りが良く見える。
畳でできた床に部屋の区切りは襖で出来ている。
狐白
「へぇ-…本当に上玉じゃね-か。」
声がする方に顔をやれば狐白そこに居た。
狐白の横には花魁の様な着物を身に着け肩や裾は乱れている姿で肩を引き寄せられている。
何故かわからないが心がズキズキする。
"綺麗な女の人だな。ハハッ。"心の中でそう述べるも二人が見えない様に顔を俯かせた。
女
「狐白はこんな子が好きなの?私より?」
狐白
「ふっ。まぁ-お前みたいな敏感な女も良いけどな。」
冗談を口にするも、女から離れ日向に近寄れば躰を持ち上げ背後に付けば座らせる。
狐白
「浴衣が乱れて厭らしいな」
耳元で囁かれば耳から入る相手の声でビクッとし段々と赤く染まっていく。
内股になっている脚から白く大きな狐白の手が太腿を撫でる。
日向
「………んンッ。」
女
「狐白こんな子どうでもいいじゃん。私とシようよ」
日向の鼻から抜ける声に手が止まるもゾクッと躰が反応し笑みが溢れる。
女に腕を引っ張られれば、女を払い除け
狐白
「鬼、この女連れて別の部屋に行け。今直ぐ。」
落ち着いたような口調で言うも少し機嫌が悪く怒ってる雰囲気が漂う。
そう言われれば鬼も女も部屋からすかさず出ていった。
狐白
「はぁ-。でぇ?何でこんなとこに居るんだ?」
口の布と手の布を切れば床に落ち。
狐白の方に向き変える。
日向
「……旅行みたいなもの。てか何で何回も呼んだのに出てこなかったんだよ。」
手についた跡を擦りながらも今までの事に怒っているのか相手の目を見ては睨み付け。
狐白
「別に、面白くね-から行かなかっただけだよ。其れに可愛い子もいね-し。性慾も満たせね-し。」
軽く笑い相手から離れれば窓を開け窓際に腰を下ろし。
狐白
「そんななんの特もね-とこに居る意味あるか?」
日向
「………。そんなに可愛い子と性慾の事しか頭にね-のかよ。」
狐白
「あぁ-。それしかね-よ。俺変態だから」
日向
「そうかよ……。」
俯きながらも狐白に近づいて行けば相手の首に腕を回し口付けをすれば口をゆっくりと離し。
日向
「…………じゃ-俺が満足させれば、コレからも出て来るってわけだな。」
狐白
「…………………。あ、あぁーそうだな。俺が満足出来ればな。」
本当はそんな事では無いのに強気に成れば"此奴馬鹿なんじゃね…"と思いながらも笑みを溢し。
日向
「わかった。」
そう言えば月明かりが当たる狐白の前で立ち帯を解けばスルっ浴衣を脱げば下着に手をかけゆっくりと脱ぐ。狐白とキスをしただけで少し親身は膨らんでおり。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。