第14話

祖母からの本
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2020/06/16 18:04


日向
「ん?我儘?
出来る事なら良いけどな-に?」

白兎
「来週1週間
私に主様の時間を頂けませんでしょうか?」


日向
「ふはぁ!な-んだそうゆう事いいよ。」


1週間日を空けてくれと言う単純な事を
直ぐに理解しては了承し。


白兎
「有難う御座います。
 では来週お迎えに上がります」

そう言い残しては、本の中に戻った。




あっという間に約束の日になった。


白兎
「お迎えに上がりました。
 では主人様申し訳ありませんが少し血を此の皿に垂らして頂けませんか?」


日向
「血?分かった。ちょっと待って」

差し出された皿の中には誰かの血が入っていた。

手慣れた手付きで指先を切り
その皿に血を1滴垂らした。


白兎
「有難う御座います。」

その血が入った皿を混ぜては、ペン先を血につけ赤い本にサラサラと文字を書いた。
文字が書かれたページはピカッと光目の前が真っ白にどこからか鳥の鳴き声が耳に響き渡る。


白兎
「ぬ……様。ぬし…さま。主様!」

日向
「えっ?此処はどこ?」

白兎の呼ぶ声が聞こえれば反射で閉じていた目を開いた。
目を開ければ広く輝いた海が広がっていた。後ろを見ると見た事もない古い町があり。町の後には大きな山があった。

日向
「白兎、此処は何処?」


白兎
「此処は私達が住む本の中です。」


日向
「此処が本の中………。」


白兎
「はい。
 あっ!主様。今日は町へ行きませんか?
 あの山を超えた所に大きな町があるんです。如何でしょうか?」


日向
「まぁ-色んなとこ見てみたいから
 行ってみようかな?
でもあの山を越えるのって‥キツイんじゃ‥‥」


山の方を見ては顔が引きつり苦笑いになりながらも白兎を見詰め


白兎
「そんな事でしたら、大丈夫ですよ。
 少し待ってて下さい」


そう言うと指笛を吹けば空から火車が生きおいよく現れては、日向の前で着地し静かに止まった。


日向
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なに‥これ?」


白兎
「これは火車です。さぁお乗り下さい」

そう言われれば勝手に簾が上り言われるまま中に入り腰をおろした。
袋を持った白兎も乗り込めば簾が下り。

ゆっくりと浮いては火車が動き出した。


白兎
「では、
街に着くまでに此れにお着替えください」

日向
「此れって、浴衣?」

白兎
「はい。
此処では此処の服装でお願いします」


淡い水色で波の様な模様が入った。
綺麗な浴衣を受けとるも人生で浴衣や和に関しての作法も着方も知らず。


白兎
「日向様。大丈夫です。
 私がやりますので上と下を脱ぎお立ちください」

浴衣を白兎に渡しては、立ち上がり
少し恥ずかしながらも服とズボンを脱いだ。


白兎
「では、失礼します。」

浴衣に手を通し手際良く着さされて行き。
腰を紐で縛れば見た目だけは完成した。

白兎
「浴衣。寸法が合ってて良かったです
 其れに凄く似合ってます。」


日向
「初めての、こうゆうの着る。
 白兎有難う。」

似合うと言う言葉に満面の笑みを溢し外を見ては、いつの間にか街に付いていた。


















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