堂島くんは気を使う感じもなく、「あのさ」と言いながらズカズカ入ってきた。
いやいいとは言ったけど一応「お邪魔します」とか言おうか。
私、一応レディなんですけど。
間の空いた挨拶に絶妙に合ったイケボが聞こえてきて、ドアの向こうからスマートな男性が現れた。
私よりも背が高くて、爽やかでカッコいい。
その男性はニコッと笑うと「初めまして、みもりちゃん。」と言った。
笑顔が素敵だな。
私は「西条みもりです。よろしくお願いします………」と顔を見ずに言う。
かっこよくていい人だな。が第一印象だ。
いや正直に言う。
一目惚れ…………したかもしれない。
ソウさん。
まだ何も知らないくせに彼を気になった私は、後先考えずに浮かれていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。