いきなりそんな優しい愛情を見せられるとは思っていなかったから、つい照れてしまった。
清春が悪い夢にうなされているのが心配だった。自分にはこういう事をして安心させることしかできない気がした。あとは、個人的に清春と一緒に寝たいという願望。
週4も一緒に寝たら理性が持たない。
小太郎はどこか腑に落ちない顔をしていた。
夜、11時過ぎ。
いつもならこの時間帯くらいから寝始める。
そして、あの夢を見る。
でも今はそれどころではない。
これから一緒に寝るということに混乱していた。普段たまに一緒に寝てるだろって思うかもしれないが、小太郎と恋人になって一緒に寝るのはあの日で最後。久しぶりすぎて落ち着かない。
自分の使っているマクラを持って小太郎の部屋に行った。
部屋に入ると、小太郎は既に眠たい様子だった。
隣に横になり布団を被るが全く眠れない。
数十分ほど経つと、隣から寝息が聞こえた。
起こさないように身体を起こしてベッドから出た。
まだ睡眠が浅かったのか目を覚ましてしまった。
ベッドに座っている清春の腰にしがみついた。
再び布団の中に身体を収めた。
肩が触れる度に伝わる体温、髪の毛から香る小太郎の匂い、振り向いたら唇が当たってしまいそうなほどの近距離。
こんな状況で寝れるわけがなかった。
男であるうえ、どうしてもその気になってしまう。
前に犯された小太郎のことを考えると、まだ手が出せない。最近思い出したばかりで小太郎に無駄な負担をかけたくなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!