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2021/06/15

第6話

任務完了
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
……。
璃那は、再び御札で動きを封じられた霊を冷めた目で見下ろしていた。
先程璃那が自分で言ったように、彼女は今”珍しく怒っている”のだから。

基本璃那は怒ることは無い。軽く腹が立つことはあるが、それも少しすれば収まるようなもの。

しかし今回は、どうやら収まりそうもないらしい。
璃那は、自分の首に傷を付けられたのだから。
彼方 侑乃
彼方 侑乃
…じゃあ、あいつのとこ行ってあの霊祓うか…もう酌量の余地はないやろ。
来栖 白夜
来栖 白夜
…あれ、やばいやん
蓬莱 華風
蓬莱 華風
え?何がや?
彼方 侑乃
彼方 侑乃
やばいもなにも、あんまり普段と変わらんやろ
来栖 白夜
来栖 白夜
…いや、あれ、めちゃくちゃ怒っとんで
流石彼氏、と言うべきか。白夜は璃那の異変に気付いたらしく、近付こうとする侑乃達を止め、そう言った。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…はぁ…首は駄目やろ、首は。
今まで聞いたことがない、普段の璃那の声の高さからは考えられない低い声。
誰が聞いても分かるだろう、その声には怒りが込められていた。
八雲 アラ
八雲 アラ
…そっか、首やと、傷跡残るし、リーナの制服の着方やと目立つんか…
何かを察したのか、アラは焦ったような顔でそう言った。

璃那は基本、ボタンを上まで留めないし、ネクタイもしない。
校則違反では無いため問題は無いが、首に傷がついたとなると、否が応でも隠すしかなくなる。

璃那は首元が空いていないと安心しないらしく、冬でも空けているくらいなのだ。
それが、首に傷がつく…それも、血が流れるほど深く切れているということは、隠すしかなくなるということ。
璃那は、自分の体に傷がついたこと、それも痕が残りやすい首に付けられたことに対して怒っているのである。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…さて、侑乃、祓うよ
彼方 侑乃
彼方 侑乃
…おっけー…
普段は侑乃のことを「ユーノ」と呼ぶ璃那が、珍しくあだ名ではなく本名で呼んでいる。
そのことにも、本人は気づいていないようだった。
その様を見るに、精神的、心の余裕がないのだろう。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…ほい、これ使ってええよ
そう言って、璃那は自分の血がついた除霊専用の御札を侑乃に渡す。
普通の人であれば、血の付いた御札など触れたくもないだろうが、彼らは平気で触るのだ。
そうしなければ祓えないから、というのもあるし、今の璃那の言うことを聞かない人間は、多分いないと思う。
漣 真央
漣 真央
…あれ、何するんですか?
蓬莱 華風
蓬莱 華風
…まぁ、簡単に言えば”お祓い”やな。
来栖 白夜
来栖 白夜
あいぼー侑乃はお寺生まれやからできるんやで、お祓い。
漣 真央
漣 真央
…お祓い…
黄蘗 芽衣
黄蘗 芽衣
1度祓ってしまえば、もう二度とここで悪さすることは無いだろうから、あの霊のせいで事故が起こったらって心配する必要もなくなるよ(ニコ)
真央の問いに華風と白夜が答え、安心させるかのように芽衣が言葉をかける。
霊は1度成仏してしまえば、自力で戻ってくることは出来なくなる。

無理矢理成仏させる方法だが、これも璃那を怒らせた罰、ということだろうか?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…どうせなら、この辺の地縛霊もぜーんぶいっぺんに片付ける?
横断歩道付近にいる地縛霊を見ながら璃那は告げる。
彼らに恨みはなにもないが、居たら居ただけ邪魔だから、と理由をつけ加えて。
彼方 侑乃
彼方 侑乃
…別にええけど。やるから早く離れや?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
へーい。
侑乃から離れてアラ達の元へやってきた璃那。その首には切り傷、未だ少し流れ出ている血。
そんな璃那を見てられず、芽衣や真央は目を背けるが、璃那は全く気にせず、「もうちょっと離れよか」と言う。
彼方 侑乃
彼方 侑乃
……低級霊くらいなら、札がなくても祓えたんやけどなぁ…まぁええか。
そう言って、薄い御札の束を人差し指と中指で挟んで持って、
彼方 侑乃
彼方 侑乃
……あの世で罪を償え、悪霊
軽く念仏を唱えたあと、そう言って御札を霊達に投げる侑乃。
するとたちまち霊達は御札に捕らえられ、成仏していった。
もちろん、璃那に傷をつけた、あの問題の霊も。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…さて、終わったな。帰るか
八雲 アラ
八雲 アラ
お、てことは解散?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
なわけないやろ、部室に戻んで
蓬莱 華風
蓬莱 華風
えー…帰っちゃダメなん?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
勝手に帰ってもええけど明日説教やで。
蓬莱 華風
蓬莱 華風
はい、すみません。
彼方 侑乃
彼方 侑乃
…そんなに大したことでもなかったな、除霊自体は
来栖 白夜
来栖 白夜
…リーナが捕まって怪我したけどな
黄蘗 芽衣
黄蘗 芽衣
まぁ…お姉ちゃんの怪我ならすぐ治るでしょ
漣 真央
漣 真央
あ、えっと…
みんなそれぞれ何事も無かったように話しながら学校へ戻っていく。
そんな中、ひとり置き去りにされた真央は、戸惑っていた。
漣 真央
漣 真央
ぼ、僕は…?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
あぁ、依頼内容と、その完遂について話あるから着いてきてや
にこにことしながらそう言って再び歩き出す璃那。
その言葉を聞いて、真央も笑顔で着いていくのだった。
………学校に到着
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
さて…もうそろ外も暗くなってくるから、手短に話済ませんで?
漣 真央
漣 真央
は、はい!
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
侑乃、依頼内容の確認、お願い
彼方 侑乃
彼方 侑乃
ん。依頼内容は、依頼人、漣 真央の通学路に1人の霊感がある人間を襲う霊が居るため、その除霊。
理由としては、通学路として使うから、と、友人がその霊に襲われて事故にあったから、で、間違いないよな
漣 真央
漣 真央
はい、その通りです
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
んじゃ次、白夜、結果報告よろしく
来栖 白夜
来栖 白夜
おけ。
結果としては、横断歩道前で人を襲う、依頼の対象霊を除霊、それとついでに周りにいた地縛霊も同時に除霊。
暫くあの場所に霊は寄り付かんやろ
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
せやな。ということで、依頼人、漣 真央さん。
あなたからの依頼は完遂しました
漣 真央
漣 真央
本当に、ありがとうございました…!
依頼内容の確認、結果報告を済ませると、真央はお礼を告げた。