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2021/06/19

第9話

”4時44分”の呪い
数分後………
来栖 白夜
来栖 白夜
戻ったでー
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
お、帰ってきた。
どう?なんか聞き出せた?
彼方 侑乃
彼方 侑乃
…「なんだコイツら」って目で見られたんけどな
蓬莱 華風
蓬莱 華風
ふ‪w
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…で、情報は?
戻ってきた侑乃と白夜にそう聞く璃那と、愚痴る侑乃を笑う華風。

「お気楽な奴らやな…」と呟いて、侑乃は璃那に手に入れた情報を話し始めた。
彼方 侑乃
彼方 侑乃
まず、そのトイレの壁の霊に飲み込まれた奴は、行方不明として扱われてるみたいやな。
それと…その霊は、4時44分ぴったりに人を飲み込むとか。
八雲 アラ
八雲 アラ
…なんで4時44分ぴったりに飲み込まれること知っとんねん、その情報くれたやつ
来栖 白夜
来栖 白夜
なんか、そいつの場合は肝試しで行ったらしいで
友達と行って、その友達が飲み込まれたってさ
八雲 アラ
八雲 アラ
へー…
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
目の前で人が壁に飲み込まれるの見たりしたら病みそうやけど…大丈夫やったんやな
蓬莱 華風
蓬莱 華風
…あ、確かに
さっき来た依頼人、黎明もそうだが、目の前で人が壁に飲み込まれたのに、それを見て病んだりしていないところに璃那や華風は驚いているのであった。

アラは、「そんなんで病むとか、メンタル弱すぎひん?」と言うが、目の前で人が壁に飲み込まれていく、というのは、とても衝撃的な絵面なのだ。病まない方が珍しいだろう。
彼方 侑乃
彼方 侑乃
いや…目の前で人が壁に飲み込まれるんや、病むのもおかしくないやろ
璃那と華風が思っていたことをそのままそっくり言ってくれた侑乃。「全くその通りやな…」と笑う璃那は、時計をちらっと見る。
そして、既に5時をすぎている時計を見て、「はぁ…」とため息をついた。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
まぁ…いずれにせよ調査はまた明日やな‪…
ちょうど明日は木曜日やから5時間授業やろ?
蓬莱 華風
蓬莱 華風
あ、そうやん。明日木曜日やったな
そう。蓬生中央高等学校では、1週間のうち、木曜日は5時間授業なのである。理由は「職員会議があるから」らしい。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
まぁ…とりあえず、それなんやったら今日はもうやることないやん
八雲 アラ
八雲 アラ
せやな。もう帰る?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
嬉しそうやな。まぁ、俺もそろそろ病院行って包帯変えてもらおかな…
彼方 侑乃
彼方 侑乃
なら俺鍵閉めとくわ、先行っててええよ
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
お、マジ?じゃあお言葉に甘えてー。
また明日な
そう言って荷物を持ち、手を振って部室から出た璃那なのであった。


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数分後、病院にて……
璃那は、包帯を変えてもらうために担当の看護師の元へ…ではなく、茅根綴の元へ訪れた。
コンコン、とノックをすると、「はい?」と彼女の声が聞こえてきた。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
俺や、璃那やで
茅根 綴
茅根 綴
あ、黄蘗先輩ですか。どうぞ
ドアを開けて病室に入り彼女を見ると、勉強中のようだった。
不思議そうに勉強道具を見る璃那を見て、「あ、これですか?」と綴は勉強道具を指さした。
茅根 綴
茅根 綴
昼頃にお母さんがお見舞いに来て、「入院中でも勉強はちゃんとしとけ」って言ってたので…
わざわざ勉強道具まで持ってこられちゃ、「嫌だ」とも言えないので、やってるんです
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…へぇ、お前ん家は随分厳しいんやな、スマホ没収したり、入院中でも勉強しろって言ったり
茅根 綴
茅根 綴
…普通じゃないですか?黄蘗先輩の家では言われないんですか?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
まぁな。それに、俺のお母さんは俺に興味無いから
茅根 綴
茅根 綴
え、なんでですか…?!自分の娘なのに…
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…「血が繋がってないから」、とか。
その言葉を聞いて、「え、」と驚く綴。
璃那が言ったように、璃那と今の両親は血が繋がっていないのである。しかし、芽衣はその両親と血が繋がっているのだ。つまり、璃那が生まれて、2年程で璃那の両親はどこかに行ったのだ。

…璃那を捨てて。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
まぁ、しゃーないんちゃう?
お母さんもお父さんも、俺のことが嫌いやったやろうし…
それか、どうにもできひん理由があったとか。
茅根 綴
茅根 綴
…じゃあ、黄蘗っていう名前は、今のご両親のお名前で…?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
いや。俺は生まれた時から”黄蘗 璃那”やで?
茅根 綴
茅根 綴
…ん??
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
まぁそりゃそうなるよなぁ…
簡単に言うと、俺のお父さんは、今の俺のお父さんのお兄ちゃんやったらしいんよ。
璃那のお父さんと、今のお父さん──義父は、兄弟だったそうだ。璃那も中一の時それを初めて知ったのだが。
茅根 綴
茅根 綴
…じゃあ、黄蘗先輩のお父様は、弟夫婦に自分の娘を託したと…?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
そうみたいやなぁ…
…まぁ、今は別にそれはええんや、聞きたいことがあるんよ
茅根 綴
茅根 綴
…あ、はい、なんでしょうか?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…単刀直入に聞くわ。
「2階の女子トイレの霊」について、心当たりってあったりする?
茅根 綴
茅根 綴
…2階の、女子トイレ…ですか?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
そう。依頼が来たんよ、「友達が壁に飲み込まれた」って
先程の璃那の両親の話をバッサリと切り捨てて、璃那は聞きたかったことを綴に聞く。
すると、綴は自らのパーカーに入れている手帳を見始めた。
茅根 綴
茅根 綴
…あまり心地の良い話ではありませんが、噂程度の話であればお話ししますよ?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
お、あるんや。聞く
「そうですか…」と呟き、綴は話を始めた。
茅根 綴
茅根 綴
何年か前、この学校では、酷いいじめが起こっていたそうです。
クラス全員で、1人の生徒を虐めて、時には犯罪まで犯させたらしく…
そのいじめに耐えきれなかった少女が、遺書を残して2階の女子トイレで自殺し、その後その女子トイレに入った、彼女をいじめていた人は、皆行方不明になったと…
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…へぇ…そんな事件が…
でも、なんで今になってまた?
茅根 綴
茅根 綴
さぁ…分かりませんが、何かしらの恨みがあるんでしょうね
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…まぁ、それは本人に聞くしかないっぽいな。
情報ありがと
自らの手帳にその情報を書き加えて璃那は綴にお礼を述べる。
茅根 綴
茅根 綴
いえ、これくらいなら朝飯前ですよ
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
んじゃあまた。
そういい璃那は病室から出て、担当の看護師の元へ向かった。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…はぁ…
看護師さんに包帯を巻き直してもらっている最中、璃那は大きなため息を吐いた。
看護師
看護師
あら、疲れてるの?
ため息をつくと幸せが逃げるわよ
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…いやぁ、それがちょっとねぇ…
看護師
看護師
何かあったの?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…俺さ、都市伝説調査クラブの部長だって言ったやろ?
看護師
看護師
あぁ、確か2年前に「作ったんや!」って言ってたわね
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
そうそう。それで、依頼が来たんよ
「2階の女子トイレの壁が、友達を飲み込んだ」って
看護師
看護師
うふ、なぁに?怖がらせようとしても無駄よ?
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
残念ながら嘘やないみたいなんよぉ…
なぁなぁ、お姉さんなんか知らへん?
事情を話した璃那は、さりげなく看護師さんに情報がないかを聞いた。
看護師
看護師
…そうねぇ…
そういえば、私がここの病院で働き始めてすぐかしらね
あなたが通ってる高校の子が運び込まれてきたのよ。トイレで倒れてたって
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…2階の女子トイレ?
看護師
看護師
そうよ。それで、その子は目が覚めたら、
「友達が、友達が…」ってずっと言ってたの。
どうしたのって聞いたら、「友達が、壁に…!!」って。
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…へぇ…なるほどね、その人って今何しとるの?
看護師
看護師
今もまだ精神病棟に居るわよ。
未だに精神状態が元に戻らなくてね
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
…話せへんかなぁその人と…
看護師
看護師
普通に会話することもままならないわ、ましてやそのことに関してだったら発狂したっておかしくないわよ
黄蘗 璃那
黄蘗 璃那
……まぁ、そうやろうな‪w
そして璃那は、包帯が巻かれ終わった首を触りながら、「じゃあそろそろ帰るわ、また明日来る」と告げて、病院を後にしたのだった。