第6話

びっくりしたけれど、それ以上に、何か、
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2018/02/17 13:57
六花
彗ー、帰ろー!
(うん、)
首をふる彗。
玲奈
彗とりっちゃん歩き?
六花
そうそう、徒歩!
玲奈
そっかー、
あ、!明日のお昼、3人で食べよ〜
(うん、うん…!)
六花
いいよー!
玲奈
良かった〜
六花
彗が超喜んでる!
嬉しいだって〜
玲奈
あははっ、本当だ〜!
六花
じゃあ行くね、また明日〜
ば、ばいばい、玲奈ちゃん、
玲奈
うんっ!また明日!
彗と六花は教室を出た。
生徒
うわーかわいい!
生徒
かわいい〜
生徒
お前声かけてみろよ、
生徒
無理だって、
高嶺の花すぎる、
六花
す、彗、
(ズーン)
彗の目が死んでいる。
六花
彗、気にしない!気にしない!
下駄箱へ着き、靴を履いて校門を出ようとした時だった。
生徒
ねぇねぇ君、乙川彗ちゃんだよね?
一緒に帰ろーよ、
先輩らしき人が彗に声をかけてきた。
(え、)
六花
ちょ、ちょっと!彗は私と…
生徒
黙れ。
ねぇ彗ちゃん、いいよね?なぁ、
(こ、こわい…)
六花
彗っ、
生徒
おいっ!無視すんなよ、俺が帰ろうって言ってんだろっ!
(りっちゃん…!誰か…、)
その先輩は強引に彗の手を引っ張ろうとする。
(…っ、)
凛也
やめてくださいっ、
そこに一人の少年が現れた。
生徒
はぁ、?
凛也
嫌がってるじゃないですか、その子、
生徒
俺が帰ろうって言って…
凛也
それ以上言ったら先輩も俺も校長室行きですよ、
生徒
何で、
凛也
今、俺がここで先輩と殴り合うからですよ、
生徒
お前っ、
先輩はその少年に殴りかかる。
が、その少年はスルリと避け、先輩を押さえ込んだ。
(えっ、?)
凛也
まだします?
生徒
く、くそっ、
先輩は早足で帰って行った。
六花
彗っ!大丈夫?
(え、な、何が、)
凛也
大丈夫?同級生、だよね?
六花
彗?
(助けて、くれた……?)
六花
彗?大丈夫?
あ、!
え、えっと、
凛也
俺、木堂 凛也、
(あ、ありがとうございます、)
ペコリと頭を下げる彗。
六花
彗がありがとうございます、って言ってます、
あ、え、っと、お、乙川 彗です、
凛也
お、乙川さん、び、びっくりしてる?
(び、びっくりしたけど、それ以上に、な、なんか…)
六花
彗、
た、助けてくれてありがとう、ございますって思ってます、
六花
(珍しい!彗が結構喋ってる!)
凛也
そ、そんなことないです、無事で良かったです
ほ、本当に助かりました、
六花
(にしても……何この会話。ふ、不自然すぎる!同級生なのに!)
凛也
お、驚かしてしまってすみません、
だ、大丈夫、です、
生徒
凛也ー!行くぞー!
少し遠くから他の生徒が声をかける。
凛也
じゃ、じゃあ、これで、
は、はい、
凛也は走って行ってしまう。
六花
彗、
り、りっちゃん、
六花
顔、赤いよ?
(え……!?)
六花
彗?
(りっちゃん、早く帰ろう、)
六花
う、うん、?
なんでだろう…
顔が熱い。風邪、なのかな……
お、おかしい…私、変、かも、


木堂 凛也くん、今度ちゃんとお礼が言いたいな、

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