さっきまでいたのに……
遊馬の家に行ったのかな、
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遊馬の家の中に入るとそんな会話が聞こえて来た。
わかってる。
玲奈のために遊馬は気を使ってくれてることくらい。
記憶について深く話そうとしないのも、
倒れた時だって心配してくれた。
でも、
でも、
でもね、遊馬、
玲奈だって、玲奈だって、
そんな不安しかない声、
時々見せる悲しそうな顔、
玲奈はそんな遊馬や玲央みたくないっ
蝶の森……角田林……
そこに行けば……何か、、
きっと……
玲奈は遊馬の家を出て走り出した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!