翔太は自分の部屋に入るとホッと息をついた。
俺は、人と話す事が苦手だ。正直、誰と喋っていても疲れる。
小さい頃からずっと人と話す事は苦手だった。
その時、ケータイが
ピコンッ
となった。
LINEだ。
誰だろう。つかさだろうか。
そう思いながら翔太はLINEを開いた。すると、そこには予想外の相手が表示されていた。
あなた____木村‥‥ですか?
‥‥えっ?
なんでこいつが俺の連絡先を?
翔太は記憶をさかのぼらせた___
‥‥そーいえば、今日、伊藤に俺の連絡先教えた気がする‥‥
そして最後に伊藤がなにか言ってたような‥‥
____
「これ、あなたに渡すけどいいよね?」
____
言ってた。確かに言ってた。
全然聞いてなかったな‥‥
とりあえずLINEを返そう。
そう思うと、翔太は
ケータイに向かい始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!