今日は土曜日。
やっぱり昨日は残業で。
家に帰ってベッドに入ったのは、深夜2:30頃だったと思う。
目を覚ましたのは朝11:00。
洗ったまま置きっぱなしになっていた白いお皿に目をやる。
あの美味しいカルボナーラを食べたのは、もう1週間以上前だったりする
相変わらず仕事が忙しく返す時間が取れなかった。
………でもいちばんの理由は。
あんな泣き姿を見られて合わす顔がない。
幸いあれ以来お隣さんとは会っていない。
ただ、隣人に借りたお皿を返すだけ。
カルボナーラ美味しかったです、ありがとうってお礼を言うだけ。
それなのに、まるでデートに行くかのように、入念に鏡の前で化粧をして、オシャレしている自分がいて可笑しい。
分かっているんだけど、すでに勝負服を着た自分が鏡に写っていた。
自分に言い聞かせるようにして、手ぶらじゃマズイかなって急遽昨日ランチの時間で買いに行ったクッキー缶を持って靴を履いた。
もちろん白いお皿を大事に抱えて。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。