第9話

第七話
202
2021/08/13 10:14



今日は土曜日。





やっぱり昨日は残業で。


家に帰ってベッドに入ったのは、深夜2:30頃だったと思う。








目を覚ましたのは朝11:00。






花宮あなた
今日はやくおきるつもりだったのにな。




洗ったまま置きっぱなしになっていた白いお皿に目をやる。







あの美味しいカルボナーラを食べたのは、もう1週間以上前だったりする
花宮あなた
1週間以上放置して怒ってないかな…。



相変わらず仕事が忙しく返す時間が取れなかった。









………でもいちばんの理由は。








花宮あなた
お隣さんのピンポン押すの怖いな…
いや、でも今日返すって決めたもんね!




あんな泣き姿を見られて合わす顔がない。




幸いあれ以来お隣さんとは会っていない。












ただ、隣人に借りたお皿を返すだけ。




カルボナーラ美味しかったです、ありがとうってお礼を言うだけ。








それなのに、まるでデートに行くかのように、入念に鏡の前で化粧をして、オシャレしている自分がいて可笑しい。






花宮あなた
ただ数歩あるくだけじゃん。



分かっているんだけど、すでに勝負服を着た自分が鏡に写っていた。




花宮あなた
初対面が酷かったもん。
ほんとはもうちょっと可愛いよって。




自分に言い聞かせるようにして、手ぶらじゃマズイかなって急遽昨日ランチの時間で買いに行ったクッキー缶を持って靴を履いた。





もちろん白いお皿を大事に抱えて。

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